農林中央金庫はこのほど、「森林再生基金」第1回目の助成対象先を決定し公表した。対象となったのは、▽雄勝広域(秋田県)、▽加子母(岐阜県)、▽三次地方(広島県)、▽新居(愛媛県)、の4森林組合。
同金庫は昨年3月、創立80周年を記念して『公益信託 農林中金80周年森林再生基金』を設立。国内の森林整備により地球温暖化防止など社会貢献事業に取り組むことにし、民有林を再生する事業や活動を助成することを決めていた。信託財産10億円で、10年程度(1年あたり1億円程度を助成)の期間を考えている。
第1回目の助成対象事業の募集は、昨年7月〜9月に行われ、全国から93件の応募があった。第1次審査を11月、第2次審査を本年2月に行い、第1回の助成対象先が決まった。助成金額は4組合合計で7264万1000円。4月から4組合の事業がスタートする。なお、第2回の助成案件については、5月に募集要項を公表、6月から募集を開始する。
今回決まった助成対象先の事業内容は、以下の通り。
▽雄勝広域森林組合(秋田県)
日本林業が抱える課題の中に林地の境界確定があるが、広い範囲を対象(境界確定予定面積260ha)に共有林の境界確定に取り組む。▽加子母森林組合(岐阜県)
地区内の歴史的経緯ある小規模面積所有(1000坪単位)と、名木『東濃桧』を踏まえ、小規模面積ごとに林齢が30年間隔となる森林をめざす(組合独自の「長期育成循環施業」を実施)。
▽三次地方森林組合(広島県)
組合が森林経営の困難な不在村組合員等から所有森林の経営信託を受け、組合が採算性を重視した森林経営を行う。
▽新居森林組合(愛媛県)
地域に森林の大面積団地(150ha規模)を形成するとともに、専属の担当者を配置し、森林所有者濃密管理による低コスト間伐等の実現を図る。今後10団地形成し、安定的な木材搬出の実現により川下対策を行う。
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