農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース
食品は「安全ではなくなっている」との回答が45%も
農水省「安全・安心モニター」調査から (2/26)

 農水省は、同省が実施するリスクコミュニケーションや情報提供を通じて、食品の安全性や家畜衛生・植物防疫などについて、国民にどの程度理解されているかを把握するために、昨年11月から今年1月にかけて3回に分けて「安全・安心モニター」(満20歳以上で国内居住者)に対してインターネットによるアンケート調査を実施。2月27日にその調査結果を公表した。
 調査内容は
第1回「食品の安全性や行政の情報提供に対する意識の把握」(11月)
第2回「食品の考え方に関する考え方の把握」(12月)
第3回「植物検疫に関する知識および考え方の把握」(12月〜1月)

◆輸入品など生産現場が見えない食品が増えた

 その中から主なものを紹介する。
 「食品の安全性について、社会全体として、どのような傾向にあると思うか」との問に、39%の人が「どちらかといえばより安全になっている」と回答。これに対して45%の人が「どちらかといえばより安全ではなくなっている」と回答し、「安全になっている」を上回った。
 「安全になった」理由としては「生産者や食品業者、行政からの情報提供が増えた」が71%、「生産者、食品業者が、食品安全を保証することを重視するようになった」が67%と生産者や食品業者の姿勢を評価する回答が多かった。
 これに対して「安全ではなくなった」との回答理由としては「輸入品や高度に加工された食品など、生産現場の見えない食品が増えた」が88%ともっとも多く、次いで「自然のままの食品が減り、農薬や食品添加物が多用されている」が70%。そして生産者や食品業者への不信感を表す「生産者や食品業者が利益を追求して安全性を軽視している」が62%となっている。
 行政が「食品の安全性に関する必要な情報提供をしているか」の問には、50%の人が「そう思う」「どちらかといえばそう思う」と回答。「そう思わない」「どちらかというとそう思わない」という回答が45%あった。また今後、情報提供して欲しいのは「食品添加物」が65%、「汚染物質(ダイオキシン。カドミウム、水銀など)」が54%、「BSE」51%、「遺伝子組み換え農作物」46%となっている。

◆国内農産物を守るため植物検疫は強化すべき

 植物検疫の目的について「国内の生態系を守る」という回答がもっとも多く85%、ついで「人の健康を守る」が79%で、本来の目的である「国内農産物を守る」と回答した人は73%だった(複数回答)。また、「海外からの植物の輸入に規制をかける」ことについては、「海外の病原菌や害虫によって国内の農産物が被害を受けないようにするため、強化すべき」が91%にのぼり、「海外の野菜や果物を入手しにくくなるため、緩和すべき」はわずか3%にとどまった。

(2006.3.1)


社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。