3年ごとにJAグループ内のコンピュータ設置および利用状況を調査報告する「JAのコンピュータ白書―JAグループにおけるコンピュータ利用に関する調査報告書」の2006年版が、(社)JAシステム開発センターから発行された。このなかから、JAに関する主なものを紹介する(05年4月1日現在、878JA中868JAから有効回答)。
▼コンピュータ設置状況
JA内に一般的な事務処理用コンピュータ(汎用コンピュータ、オフコン、パソコン(PC)、連合会等のホストに接続された端末機など)が設置されているJA数は852JAで、有効回答JAに対する設置割合は(以下同じ)98.2%となったが、白書は「調査上の齟齬などを考慮すると未設置JAはないものと思われる」としている。
▼汎用コンピュータの設置状況
メインフレーム、サーバー、オフコンなど、なんらかの適用業務処理用の汎用コンピュータは、699JA(80.5%)に設置されており、「JA独自の汎用コンピュータの設置が進みつつある」と分析している。
汎用コンピュータの設置台数は、1万台に迫る9435台で、設置1JAあたり13.5台となっている。これは「JA合併による経営規模の拡大、ITの進化による小型化、高性能化、経費的に安価なコンピュータなどの実現が要因として考えられる」。
種類別にみると、メインフレームは4JAに1JAの割合で設置され、設置1JAあたり平均設置台数は23.4台となっている。サーバーは8割強のJAで設置されており、1JAあたり平均5.3台となっている。
また、特定の業務だけに使うオンライン専用端末機は、773JAに4万9267台設置されており、1JAに平均63.7台の端末機があることになる。
▼パソコン(PC)の設置状況
PCは838JAで導入され、設置台数は10万2509台と、前回02年調査より約3万2000台増え、10万台を超えた。これは、PC設置1JAあたり122.3台、正職員3人に1台から2人に1台の設置率へと増加したことになる。
100台以上設置しているJAが回答JAの約4割あり、この4割のJAでPC台数の約8割を占めている。これは「JA規模の大型化に起因する」と白書は分析している。
▼インターネット利用状況
約88%のJAがインターネットを利用しており、接続しているPCは約5万台で、1JAあたり約67台、職員約3人に1台が接続できる状況になっている。電子メールのアドレスの設定は、部署単位がもっとも多く47.6%で、個人単位は30.8%に留まっている。
ホームページを開設・運営しているJAは全体の約73%・629JAで、その更新サイクルは月間1〜2回がもっとも多く約69%、次いで2〜3回が約17%と月1〜3回の更新サイクルが85%強となっている。一方、毎日更新しているJAは全体のわずか4%弱に留まっており、更新サイクルが少なすぎる印象が強い。
▼セキュリティ対策
JA設置のサーバーすべてにファイアーウォールを設定しているのは57.4%と6割弱に留まっている。外部との接続がないサーバーが多いことが想定できるが、インターネットに接続しているサーバーで未設定のものについては「セキュリティ確保のうえで早期の設定が求められる」のは当然のことだといえる。また、設置PC台数が少ないほどセキュリティに対する関心が薄い傾向がみられ「セキュリティ管理意識の向上が必要」だ。
また、PCのパスワード管理状況についても同様な傾向がみられ、「すべてに設定」しているJAは49.2%と5割弱に留まっている。「個人情報の紛失・流出等の事故などの対策としてJA単位に適切なパスワード管理より情報の安全対策に万全を期す」ことを白書は指摘している。
なお「白書」は、県段階の調査も行なっているので、関心のある方は(社)JAシステム開発センター(電話03−5202−1731)へ問い合わせを。
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