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将来展望の持てる畜産・酪農政策を −JAグループ (3/3)

3月3日の全国代表者集会、憲政記念館。
3月3日の全国代表者集会、憲政記念館

 JA全中と全国農政協は3月3日、18年度畜産・酪農対策全国代表者集会を開き、畜・酪対策運動をスタートさせた。
 JA全中の宮田勇会長はWTO農業交渉の結果によっては畜産・酪農にも大きな影響が出かねないことを指摘するとともに、国際化の進展に対応し自給飼料基盤に立脚した畜産・酪農を支援するための総合的政策が必要で「生産基盤の維持確保に取り組む意欲ある生産者が報われ、将来展望の持てる政策の具体化」を求めた。
 そのほか政府・与党への政策要請として18年度の焦点となっているのは▽経営安定対策の対象者の明確化とJAの生産部会などを認定農業者に誘導する支援措置▽牛乳乳製品の需要拡大対策▽加工原料乳の生産者補給金単価と限度数量の適切な決定▽特定危険部位の除去など運営コストが負担となっている食肉センターの衛生管理への支援などBSE対策などがある。
 集会に出席した谷津義男自民党総合農政調査会会長は「米国産牛肉輸入停止問題で今ほど消費者の安全・安心に対する関心が高い時はない。要請を加味して担い手のみなさんが安心して生産に取り組めるように集中して議論していく」などと語った。
 意見表明では、北海道のJA北はるか・木下一己組合長が「加工原料乳の補給金単価や限度数量を引き下げの話を聞くが、それでは届いたと思った目標がまた遠くにいってしまう。生産者の意欲と生産基盤の維持に配慮して現行を基本にした適切な決定を」と求めるとともに、安全対策について「BSE問題はまだ現場では終わっていない」と強調し原因究明の徹底、再発防止策、と畜場などへの支援策が必要だと述べた。
 JA全青協理事で島根県農協青年連盟の山下孝治委員長は、和牛生産農家の減少と高齢化が進むなか、漁協の所有する荒廃した山林で平成13年に放牧を始めた経験を報告。JA、行政とも一体となった「森林再生型放牧」が山林の整備と水の浄化による漁業資源の回復にもつながり、「和牛生産組合員だれもが牛飼いに楽しみが出てきたと話すようになった」。地域資源を生かし地域振興にもつながるこうした資源循環型農業と、労働の協業化をめざす集落畜産を実現し新規就農者育成も図るべきだと述べた。
 18年度の畜産・酪農対策は9日に決定される。

(2006.3.7)

 



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