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農政.農協ニュース |
担い手づくりを最重要課題に |
JA全中の通常総会=3月8日東京・丸の内の東京會舘 |
JAと連合会に対するJAの指導は昨年から、この基本方針によって行われている。また総会では「全中改革に関する行動計画」の設定を承認した。それによると、全中はより高度な機能を発揮するため、今後5年間に経営資源を監査、経営指導、経済事業改革、担い手育成の事業分野に重点配置するという計画内容となっている。 総会は、平成17年度事業経過報告のあと18年度の事業計画と予算などを決めたあと、(1)JA改革の断行(2)「担い手づくり」の推進(3)WTO農業交渉の3点について特別決議をした。 「担い手づくり」については「19年産からの品目横断的政策の導入にあたり、JAグループの総力を挙げて地域の実態に即した担い手づくりに徹底して取り組むとともに、担い手に対応したJAグループの事業改革に取り組む」とした。 またWTO対策では「多様な農業の共存を基本に、わが国をはじめとする輸入国の食料主権が反映され、それぞれの国の重要品目に十分な配慮がなされたモダリティの確立をめざす。このため広範な国民の理解と支持を得る取り組みや世界各国の農業者との一層の連携強化に取り組む」とした。 これに先立ち、全中の宮田勇会長はあいさつの中で「担い手のニーズにしっかりと対応できるJAグループの事業体制を早急に構築する必要がある」と強調。また経済事業改革については「全農の『新生プラン』の着実な実行が必要」と述べた。 さらに「JAグループの当面する重要課題に的確に対応していくためには中央会事業の高度化と効率化を図るとともに、全中と県中が一体となって取り組む必要があることから『全中改革に関する行動計画』を提案した」と説明した。 秋のJA全国大会については「議案策定に取り組んでおり、6月には組織協議案を決定する」と報告した。 来賓祝辞では宮腰光寛農水副大臣が農政改革などについて述べたあと「農協改革の試金石ともいわれる全農改革、さらには農家組合員との接点であるJAの経済事業改革は待ったなしの課題であり、全農が(農水省の)改善命令にもとづいて提出した改善計画は、確実に実行していただく必要がある。不退転の決意で断行されることを期待している」と求めた。 また「近年、系統職員による横領などの不祥事が相次いでいるが、これは農協系統組織全体の信用を失墜させ、組合員や利用者だけでなく、国民全体の信頼を裏切るものであり、きわめて遺憾である。危機感を持ってJAの改善や不祥事の撲滅に指導力を発揮していただきたい」と手厳しく注文した。 次いで17年度の優良農協と農協功労者を表彰したあと、18年度の事業計画と予算などを決めた。予算は一般会計が約40億5000万円。都道府県会員賦課金は1%圧縮されたが、今年はJA全国大会の開催年に当たり予算規模は前年度をやや上回った。 18年度の重点事業は(1)第23回JA全国大会決議の着実な実践(2)「基本方針」に沿った指導の取り組み(3)第24回JA全国大会議案の策定・大会の開催の三本柱。 (1)については具体的に▽生産履歴記帳運動の確実な実践▽飼料増産運動の推進▽地域水田農業ビジョンの充実強化▽基金の運営による米の需給調整▽JA米の確立▽麦・大豆の経営安定対策の推進▽稲作所得基盤確保対策と担い手経営安定対策の推進▽19年度以降の米政策改革対策の推進などを挙げている。 事業計画案は昨年秋の地区別代議員会議で協議されたが、それ以後に未合併JAの合併促進対策などの記述を強化した。 JA間の合併と事業譲渡、またはJAから信連などへの事業譲渡に、登録免許税率の特例措置が創設され、コスト削減の効果が確保できることになったため、基本方針に掲げた合併構想の未達地区(約186地区)の合併完遂に向け、目標期日の明確化など未達地区内のJA(約470JA)によるスケジュールづくりを促進する。 基本方針は「組合の組織、事業及び経営の指導に関する基本方針」が正式名。 今回の改訂部分を見ると、経済事業改革では「全農は『新生プラン』の着実な実践を図る」などという新たな文言が加わっており、削除部分はない。 またJA、経済連、全農は「農家手取りの向上のため、(1)直接販売機能の強化を通じた国産農産物の売場の確保、(2)集出荷コストの低減や米の共同計算の運営改善など中間流通コストの削減、(3)機能別手数料の設定など販売事業システムの見直しをはかる」という、より具体的な記述が入った。 |
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(2006.3.13) |
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