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より迅速に良質なサービスを提供するために
教育・研修の拠点 JA共済幕張研修センターが完成


幕張新都心文教地区に建てられたJA共済幕張研修センター

幕張新都心文教地区に建てられたJA共済幕張研修センター


挨拶する野村会長
挨拶する野村会長
 JA共済連(上原寿宰理事長)がかねてより建設を進めてきていたJA共済幕張研修センター(千葉市美浜区)の竣工式が、3月27日に開催された。
 同センターは、刻々と変化する共済・保険業界にあって、顧客ニーズに迅速に対応し、より良質なサービスを提供できるようJA共済連職員の専門能力や指導力を強化し、JAに対する支援機能を高めるための人材育成や能力開発を行なう施設として建設された。
 建設にあたっては、▽研修の一元的管理・運営による研修活動の効率化▽研修参加者の距離的・時間的な負担の軽減▽ITの活用による効率的な研修の実施、研修運営の効率化▽実技・実習研修施設の充実・強化による専門的業務能力の向上▽快適な研修受講環境の構築などにより、JA共済の人材育成の中枢となる総合教育センター機能を確立し、教育研究機能の高度化・効率化をはかることを目的としたという。

◆「見て・触って・体験できる」実習重視の施設

 地上9階地下1階のセンター内には、「ひと・いえ・くるま」の総合保障を提供するJA共済について総合的な研修ができるように、一般研修施設、自動車研修センター、医療研修センターを併設するとともに、約300室の宿泊施設やエントランス厚生施設を備えている。
 自動車・建物・医療の各研修センターには、各センター専用の展示室を設け、座学だけではなく実習研修を重視した内容となっている。例えば、自動車研修センターには、自動車の構造・機能などがわかるカットモデルや損傷自動車の復元修理見積書を作成するための損傷自動車などが研修教材として配備され、実際に見て触って査定業務に必要な知識を習得することができるようになっている。
 また、建物研修センターには、洋風と和風建物の2種類の展示建物が設置され、建物の建築構造や自然災害による損傷状態が再現されている。主に、木造軸組構法の基礎知識や火災・自然災害などによる損傷形態など、実損害の事例をもとに修理見積例や修復方法を習得できるようになっている。
 医療研修センターには、人体の構造の基礎知識を習得する解剖模型コーナー、各種の外傷に関する臨床的な医学知識を習得できる脳神経外科コーナー、整形外科コーナー、身体機能検査機器コーナー、リハビリテーションコーナー、交通事故例のレントゲンやMRIを提示した画像コーナーなど6つのコーナーが設置され、見て・触れて・体験できるようになっている。
 また、ハートビル法(高齢者、身体障害者が円滑に活用できる建築の促進)の認定、健康増進法(受動喫煙の防止)、シックハウス対策(改正建築基準法)など人権に配慮するとともに、屋上や中庭などを緑化したヒートアイランド対策や建築資材に間伐材を利用するなど自然環境にも配慮した、JA共済事業の特性を活かした設計・建築がなされている。
 宿泊設備としては、すべてバス・トイレ付のシングルルームが約300室、パブリックの場として利用できるラウンジや共同浴場、スポーツルーム、和室などがあり、研修期間を快適に過ごせるような設備が整っている。

建物模型を活用し実践的・専門的研修が可能に(左)実物車両を使った見積学習も(教材用車両を約90台保有)(右)

建物模型を活用し実践的・専門的研修が可能に(左) 実物車両を使った見積学習も(教材用車両を約90台保有)(右)

◆人材育成の拠点として重要な役割を担う

 27日は朝10時30分から正面玄関入口横の壁面で定礎式が行なわれ野村弘会長が定礎の辞を奉読し、花元克巳副会長と上原寿宰理事長が綱を引き定礎碑を開幕。その後、センター内で竣工式(神事)を執り行い、12時から祝賀パーティー(直会)が、農水省の井出道雄経営局長、土屋博JA全中常務、裄V武治JA全農会長、武田弘道JA全厚連会長、安田壽男日本農業新聞会長などJAグループのトップ、幕張新都心を推進する千葉県関係者、建築・設計に携わった関係者、JA共済連役職員など多数が列席して華やかに行なわれた。
 この席上、挨拶に立った野村会長は「JA共済は、農業協同組合が理念とする“相互扶助”を事業活動の原点とし、農家組合員をはじめ利用者の皆様の豊かな生活づくりや、豊かで安心して暮らすことのできる地域社会づくりに努めてきました。そしてこれらの事業の推進には、人づくり、職員教育が何よりも重要であると認識し、これまでも職員教育には力を入れてきました。本日、ここに新たな教育研修施設の竣工を迎えることができ、よりいっそう職員の人材育成・教育研修に力を入れ、今後とも農家組合員・利用者の皆様の信頼と期待に応えられるよう努力を重ねます」と、人材育成、教育研修の重要性を強調するとともに、この研修センターがその拠点としての役割を担っていくと語った。
 井出農水省経営局長も研修センターが、JA共済事業の人材育成、教育研修の拠点としてその役割を果たすことを期待すると来賓挨拶で語った。
 今後、JA共済事業に携わる人たちが、「見て・触って・体験できる」センターの特性を活かした教育研修の成果を活かして、利用者に満足がいく良質なサービスを提供することが、いっそう激しくなる共済・保険業界の競争に勝ち残る第一歩となるのではないだろうか。

臨床的な医学知識の習得も(左)乾杯風景(右)
臨床的な医学知識の習得も(左) 乾杯風景(右)

(2006.3.29)



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