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農政.農協ニュース |
追い風に乗って浸透はかれるか |
■日本農業再建ビジョンに有機農業を 中島紀一茨城大学農学部教授は基調報告で、「今、グローバリズムの極限的推進が我々の目前に迫り、農業や農村の崩壊が急速に進んでいる。輸入自由化に対する我々の基本方針は、いのちを育む農の価値を高め、それを多くの人に伝え、食と自然と文化は農によって支えられていることを示すことだ」と、農産物輸入自由化を阻止すきだと述べた。また、「19年度から実施される『経営所得安定対策』で−農地・水・環境保全向上対策−が位置づけられた事は評価できる。しかし、これまで環境に配慮し循環可能な有機農業を進めてきた個人やグループが生かされない仕組みになっている」と指摘。今後有機農業を地域農業と、日本農業の再建ビジョンに位置づける取り組みを進めようと訴えた。 ■環境を守ることは、アピール効果大 各地から地域の食と農について報告に続いて、東修三北海道農政局食の安全推進室長が『北海道農業がめざすもの』について、奥田清喜兵庫県豊岡市助役が『はばたくコウノトリ』について紹介した。豊岡市内では冬でも水が張られた田んぼが目につく。コウノトリの餌場にと進められている取り組みで、安全な米と生き物を同時に育てている。今では「コウノトリの郷米」として認知度も高まり、消費者の人気も上々だ。奥田清喜氏は、「環境を守るこの取り組みは、消費者への大きなアピールになる」とその意義を強調した。 ■国の政策が現場と歩調を合わせるかがカギ 全国的に有機農業への取り組みは盛んになりつつあるように思われるが、「このような集会を開くと、いつも同じ人に会う。同じ顔ぶればかりで、広がりが感じられない。多くの人に我々の訴えが届いていないのではないか」と、リレートーク発言者の一人が語っていたように、有機農業に意欲的に取り組んでいる人はまだまだ少数派だ。19年度から実施される経営所得安定対策では『環境』が柱の一つになっており、その意味では「有機農業」に追い風となる。国の政策と歩調を合わせ、追い風に乗る形で「有機農業」が幅広く取り組まれるか、注目したい。 |
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(2006.3.29) |
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