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農機学会で「教育セミナー」開催 −農業機械学会 (4/4)


講演するサタケの木谷部長
講演するサタケの木谷部長
 農業機械学会(会長:梅田幹雄 京都大学大学院教授)は、農業機械学分野における大学教育の現状を認識し、企業からみた人材育成を含め、今後の大学教育のありかたについて議論する目的で、4月4日、文京区本郷の東京大学山上会館において、「農業機械学会教育セミナー」を開催した。
 志賀徹宇都宮大学農学部教授(実行委員長)、梅田幹雄農業機械学会会長の挨拶に続き、岐阜大学大学農学部の後藤清和教授が「会員の期待に応える農業機械学会とは? SEAMEDアンケートから見えるもの」をテーマに講演した。
 その中で、これからの農業機械分野の発展の為には、「情報学」が重要であるとの方向性を指摘、また学部学科の名称が、具体的な農機や農業の名称から生物、資源、環境、情報などの呼称に変わってきていると述べた。
 宇都宮大学農学部の志賀徹教授は「農業工学関連分野における技術者教育」の演題で、技術者倫理の重要性を語ったが、質疑応答で、講演中に出てきたGPAとは何かの問いに、GPAはグレード ポイント アベレージの略で、従来の優、良、可を数値化したもの。同大学では、学生の質的向上のため、可を1とした場合、平均1以上の数値を必要とするなどの説明をした。
 企業側からは、株式会社サタケの木谷博郁人事部長が「我が社の求める人材」のテーマに沿い、企業が求める人材像を分りやすく語った。その中で経団連05年度調査にふれ、企業が重視する項目の上位5つは、コミュニケーション能力、チャレンジ精神、主体性、協調性、誠実性であり、ある意味で、企業は学問・専門性を求めていないと述べた。
 さらに、最近の若手社員の行動特性の一つに「発光ダイオード型=電流を通すときれいに光るが熱くはならない」が多く見られるとし、以前から指摘されていたブログ型=(PC上でのコミュニケーションは出来るが、対面対人関係が下手)、な若い社員が増えている、という話も出た。
 井関農機(株)の名畑悟開発推進部長は「企業が望むこと」と題して話したが、同社は開発技術重視型企業であり、昨年の統計で、全産業中で特許登録率が日本一であったことを述べ、
学校教育現場で、従来は5+3=□の設問を、□+□=8という問いで指導していることに触れ、企業も多様な方法論を考える必要があると語った。
 大阪府立大学の西浦芳史助教授が「農業機械分野における教育問題についてのアンケート結果」を報告し、締めくくりにパネルディスカッションと総合討論を行い、閉会した。

(2006.4.7)



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