WTO農業交渉はG6(日本、米国、EU、ブラジル、インド、豪州)の少数国内で、閣僚レベル、高級事務レベルでの協議が行われている。3月31日、4月1日にはブラジルで、米国、EU、ブラジル3国の閣僚とラミー事務局長との会合、4、5日にはジュネーブでG6の高級事務レベル会合が開かれた。中川農相は7日の会見で「大きな進展はなく、カードを出し合うということもなかったと聞いている」と語った。
ただ、3月20日から開催された農業会合でファルコナー農業交渉議長は「技術的な点は85〜90%整理済みであり、あとは政治的意思があれば決着は可能」と述べたと伝えられるほか、ラミー事務局長は4月末のモダリティ(各国共通に適用される貿易ルール)確立に並々ならぬ決意を示しているとされる。
JA全中はこうした情勢から、これまでの議論の積み上げ方式を切り替え、トップダウン方式で加盟国に政治決断を強く求めてくる可能性や、ラミー事務局長自身がモダリティ案の策定に関与することも考えられるとして十分に警戒が必要だとしている。
また、今後の交渉日程は未定だが、ラミー事務局長の「4月最終週から5月初めに開催したい」との発言があることから、4月末から5月はじめに閣僚会合が開催される可能性が高い。JAグループは4月18日に東京・砂防会館で1000人規模の「WTO農業交渉対策全国代表者集会」を開き日本の主張が反映されるよう訴える。 |