農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース
認定施設の再調査、5月前半に終了−米国 (5/2)

 米国産牛肉の輸入再開問題は、3月の日米専門家会合でせき柱付き牛肉が輸出された原因などについて「一定の共通認識を得た」ことから、日本側は4月11日から24日まで全国10か所で意見交換会を行った。
 一方、米国は専門家会合で約束した日本向け輸出認定施設の再調査を4月24日から始めているが、5月2日、中川農相と会談したジョハンズ米農務長官は「今月前半に調査を終え精査したうえで日本に報告する」と述べた。報告書の取りまとめに1週間程度かかるとみられ、その後、日米で協議が行われる見通しだが専門家による会合か局長級の会合になるかはまだ未定。農水省は意見交換会で出された意見をふまえて対応するとしている。
 東京会場で開催された意見交換会では、食肉、外食産業関係者から「一日も早く輸入再々開を。現在のプログラムで安全性は十分に確保できる。心配という感情を施策に反映させるべきではない。消費者に選択肢を与え判断を委ねるべき」といった声が一部あったほかは、反対や慎重論が相次いだ。
 「米国の体制はずさん。安易な対応をせずリスクの再評価をすべきだ」、「肉骨粉の全面使用禁止がされていない。日本と同じ条件で検査が行われるべきで、米国のビジネスチャンス拡大と国内の一部企業のために私たちの命を犠牲にするな」、「再開するには日本による事前査察と水際検査が必要」などの声がほとんど。また、プリオン専門調査会の答申について、米国産牛肉のリスクについて科学的評価は困難としながらも、日本向け輸出プログラムの遵守を前提に日米のリスク差は小さいと結論づけたことへの疑問や批判も目立った。
 農水省の石原事務次官は4月27日の会見で意見交換会について、▽原因究明や米国側の改善措置の確認が必要、▽輸入再々開には日本側による事前の査察や輸入検疫体制が必要、▽今後も国民への丁寧な説明と意見交換が必要、という意見に集約できると述べ、これらの意見と米国側の再検査結果とを合わせて対応を検討するとしている。

(2006.5.10)


社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。