第24回JA全国大会議案を検討しているJA全中の議案専門委員会は5月9日の会合でJA合併のこれまでの評価と今後の方向について考え方をまとめた。
JAグループは1988年の第18回JA全国大会で21世紀までの「1000農協構想」実現を決議し、その後、平成17年の全中総会では「基本方針」にJA合併の推進を盛り込んでいる。合併の推進により現在、全国のJA数は872となった。
JA全中ではJA合併について▽機能発揮・専門性発揮の条件を確保し労働生産性が向上、▽支所、支店などの再編で事業管理費が抑制、▽ペイオフ全面解禁を乗り越えるなど経営不振対策への効果、▽営農振興などに関する企画機能、監査部門や貸し出し審査部門の独立性確保など規模の優位性の発揮、などが評価できるとし、農業をめぐる厳しい環境と金融情勢の激しい変化のなかで、効率化と機能強化が両立できたのは「JAの大規模化を基礎」に取り組みを進めてきたためとしている。
ただし、現在は、全農改革などでJAと連合会の機能分担の見直しが進み、JA合併以外の方向でJAの機能強化を図っている例や、合併といっても戦略的な構想実現というよりも経営不振JAの救済の性格が強いケースも多い。また、合併実現には時間がかかるが、JA合併実現するまで支所、支店の再編など事業改革が停滞する場合もある。
一方で、小規模で財務基盤の弱いJAや不祥事リスクに耐えられないJAもある。
こうしたことから専門委員会では合併をJA改革の中心に据えて全国一律に推進するのではなく、▽各県中央会はJA・連合組織の機能分担見直しの実情や他業態との競合状況をふまえて合併推進方針を見直す、▽小規模・未合併で財務基盤が脆弱なJAの解消に向け、平成20年3月をめどに合併を基本とし事業譲渡を含めて推進する、を基本的な方向として確認した。
財務基盤が弱いJAの解消に向けては県域で早急に目標期日の設定と協議会の設置を進める。また、全中とJAバンクは全国支援のあり方について検討を進める。これらの方針は全国大会議案にも盛り込まれる。
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