農水省は、17年の青果物卸売市場における野菜の卸売数量は1195万トンと前年並み(対前年比99%)だったが、卸売価額は2兆1626億円と前年に比べて8%減少。1kg当たりの卸売価格も平均181円で前年よりも7%低下したという「平成17年青果物卸売市場調査結果」を明らかにした。
これによると、野菜の卸売数量は、ハクサイ・レタスが前年に比べ3%、5%増加したが、ニンジンが前年の台風被害などの影響で作付の遅れや生育の抑制で7%減少したこと、キャベツが葉の損傷などで生育が抑制され4%減少したことなどによって前年並みとなった。
野菜の卸売価額が前年より8%減少した要因は、ダイコン・ハクサイ・キャベツの卸売価格が低下し卸売価額が大幅に減少したことにある。
平均卸売価格が7%低下したのは、ハクサイ・レタスの卸売数量が増加し安値であったことと、前年10〜12月の野菜価格が台風などの影響で全体的に高値であったことなどによる。
また、全国値のデータはないが、主要都市(注)の青果物卸売市場における輸入野菜の卸売数量は44万トンと前年より13%も増加している。これは、ニュージーランド産カボチャの輸入が増加(11万トン、前年比114%)したこと、国産タマネギの数量減少による輸入増加(10万トン、同158%)などが要因だ。また、輸入野菜の卸売価格は、単価の低いカボチャ(1kg当たり114円、同79%)やタマネギ(同65円、97%)の卸売数量が大幅に増加したことなどから、1kg当たり平均193円と前年より12%低下した。
青果物卸売市場での果実の取り扱いは、卸売数量が500万トンで前年並み(対前年比101%)だったが、卸売価額は1兆2253億円と6%減少し、卸売価格も1kg当たり平均245円と6%低下した。
果実の卸売数量は、国産が376万トンと前年より2%増加し、輸入が124トンと同4%減少した。輸入が減少したのは、ハリケーン(台風)被害で米国産グレープフルーツの輸入が前年比78%と大幅に減少したことなどによる。
国産果実の卸売価額は1兆353億円と5%減少したが、これはミカン・カキ・スイカの卸売価格が低下したことによる。国産果実の卸売価格は1kg当たり275円と7%低下したが、前年が台風の影響で高値であったこと、ミカン・カキ・日本ナシの価格が数量増加で大幅に低下したことによる。また、バナナの価格が数量増加で大幅に低下したことから、輸入果実の卸売価格は1kg当たり平均153円と6%低下している。
(注)主要都市とは、人口20万人以上で青果物取扱量がおおむね6万トン以上の都市と県庁所在都市および中央卸売市場が開設されている都市のこと。 |