外食産業の4月の売上げが、全店ベースで前年同月より3.2%上回ったことが、日本フードサービス協会の「外食産業市場動向調査」で分かった。
これによると、今年4月は前年に比べ気温が低く雨の日が多かったが、客数が前年同月比102.5%と堅調に推移したことと、客単価が同100.7%と、昨年3月以来のプラスになったことなどが売上げアップの要因だといえる。
客数は、ファーストフードの麺類(112%)、居酒屋(111.2%)、ディナーレストラン(106%)などの伸びが目立つ。客単価では、これまで前年割れが続いていたファーストフード業態がプラスに転ずるなど各業態で前年を上回っている。また、店舗数も101%で全体として新規出店は抑えられているが、ファーストフードの麺類(106.2%)とその他(カレー・アイスクリームなど)(109.2%)、居酒屋(115.4%)では大幅に増えている。
業態別に見ると、ファーストフード業態は、売上げ(104%)、客数(104%)、客単価(100.1%)ともに前年を上回った。とくに麺類とその他は客数が増え、2桁増の売上げとなった。
ファミリーレストラン業態全体では、店舗数が99.3%と減少したが、売上げ(101%)、客数(100.2%)、客単価(100.8%)と前年を上回った。分野別では焼肉が店舗減により客数が減り、売上げを大きく下げている(93.6%)ことが目立つ。
パブ・居酒屋業態は、店舗数(110.7%)、客数(107.6%)が増え、客単価も101%と上昇し、売上げが108.7%と大幅な伸びとなっている。居酒屋は112.8%と2桁増の売上げの伸びを見せたが、逆にパブ・ビヤホールは96.1%と前年売上げを割り込んだ。
ディナーレストラン業態は、客数(106%)が増え、客単価も102.3%とアップし、売上げが108.4%と大きく伸長した。「個人消費の中での高級志向の一面がうかがわれる」と協会では分析している。
喫茶の業態は、客単価は100.4%と前年を上回ったが、客数が99.3%と減少し、売上げは99.7%と昨年2月以来のマイナスとなった。
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