憲法9条を中心に改憲しようという動きを阻止しようと、農林水産関係者が各地で立ち上げた「農林水産9条の会」が発足1周年を記念して全国のつどいを5月28日に開いた。
同会は、思想、信条、党派の違いを超え、憲法9条改正に反対するという一点で集まることを呼びかけており、賛同者はこれまでに700名を超え各地での会結成も行われている。この日は東北から九州まで約100人が参加した。
つどいでは、暉峻衆三元東京教育大学教授が記念講演し、出征体験と被爆地広島の惨状などについて語った。「戦争は人間性をずたずたに破壊する地獄の世界。再び起こしてはならない」と強調し、同時に戦争体験を語り書き記すことが大事で「沈黙と封印は改憲勢力の思うつぼ」と話した。
とくに今回の改憲の動きが日本の食料自給率の低さと海外依存の強さとを関連させ、自由貿易を守り海外輸送の安全を確保する必要がある、といった理由づけをして9条改正が考えれていると指摘。こうした改憲の動きを抑えるためにも食料自給率向上とWTOルールの改定などを要求する運動を強めることや、消費者・市民との連携で農業や地域を守ることも一層重要になるなどと話した。
参加者には農協関係者、農水省OBなども。農協の総会で憲法9条を守ろうと決議した事例や、地域農業と平和を守ろうと訴える幟を田んぼに立てた田植えを行い、地元メディアにも取り上げられ注目されている例などが報告された。
国民投票法案が国会に提出され運動の急速な発展が求められていることから、同会では年内に賛同者1500名を目標にするなど広く参加を呼びかけていく。
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