農業協同組合新聞 JACOM
   
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17年度輸出は前年度比12.1%増
−農林水産物等輸出促進全国協議会 (5/31)


 農林水産物等輸出促進全国協議会総会が5月31日、ホテルニューオータニ(東京)で開かれた。同協議会は昨年4月、官民一体となって農林水産物等の輸出を促進するために立ち上げたもので、この間、協議会を中心に積極的に農林水産物等の輸出を進めてきた。

■17年度輸出は前年度比12.1%増

 会長の木村尚三郎東京大学名誉教授は挨拶で、「今、世界的に健康志向が広がり日本食が評価され、魚や果物などを中心に日本の農林水産物の普及が拡大している。食を輸出することは同時に文化も輸出することで、日本を世界に知ってもらう良い機会だ」と、国産農産物の輸出拡大と同時に世界に向け日本を発信しようと呼びかけた。
 事務局から「17年度の輸出実績は前年度比12.1%増の3310億円。これは、12〜16年度の平均5.9%増に比べ約2倍の伸びになっている」との農林水産物等の輸出についての報告があり、特に協議会が設立後は毎月前年同月比10〜30%の高い伸びを示し官民一体となった取り組みの成果が現れていることが強調された。また、7月頃をメドに「国・地域の実情に対応した輸出促進施策を一体的・戦略的に講じるための『国・地域別戦略』を策定する」などの内容を盛り込んだ18年度農林水産物等輸出倍増計画が承認された。

■日本食普及の功労者3名を表彰

 農水省は、海外に在住し日本食、日本食材その他日本の農林水産物の海外での紹介・普及に多大な貢献をしてきた人を『日本食海外普及功労者(農林水産大臣賞受賞者)』として表彰する事業を今年から新たに創設した。今年度はイギリス・ロンドンで料理学校の講師を務め、日本料理の紹介などをしているシャーリー・ブーズさん、アメリカ・ニューヨーク在住で、日本食レストランの経営などを行っている倉岡伸欣さん、香港で日本の食材を輸入し、地元のスーパーなどに販売しているフランキー・ピー・ウーさんの3名が選ばれた。
 壇上の3名に、中川大臣から表彰状が手渡された。「日本は世界有数の食料輸入国で、WTO農業交渉の場では輸入国の立場から発言が多く悔しい思いがある。しかし、日本にも世界に誇れる高品質な農林水産物がある。それらを世界に知ってもらうため、官民一体で輸出促進の取り組みを進めていこう。本日表彰される3名の方は、日本食の紹介などで活躍されており、我々の力強いサポーターです」と、受賞者の功績を讃えた。
 受賞した3名から一言づつスピーチがあり「今年は『あまおう』が売れて、商売がとてもうまくいきました。これからも日本の果物などをたくさん売っていきたい」と、フランキー ピー ウーさんは流暢な日本語で感謝の言葉を述べ、会場の大きな拍手を誘った。

挨拶する木村会長(左)日本食海外普及功労者を中心に(右)
挨拶する木村会長(左) 日本食海外普及功労者を中心に(右)

(2006.6.5)

 

 

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