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過去最高の654億円を配当 −農林中金決算 (6/27)


 農林中央金庫は6月27日に総代会を開催し17年度決算の承認と役員を選任した。 17年度の決算では有価証券の運用収益の拡大と不良債権処理がほぼ終了したことにともなうコスト低下などから、経常利益は前年度より1020億円増の3113億円となった。昨年に続き過去最高。税引き後の純利益は前年度より1271億円増加して2676億円となった。
 利益処分は、利益準備金に545億円、任意積立金に1367億円を積立て、配当は特別配当440億円、普通出資配当109億円、後配出資配当100億円、優先出資配当4億円とした。配当金の合計は654億円で過去最高となった。
 総資産は70兆7641億円で17年度中に8兆8168億円増加した。預金が207億円増の残高40兆4834億円。農林債権は833億円増の残高4兆7877億円となった。
 一方、貸出金は法人の資金需要の低下などの要因で3兆7516億円減少し、残高11兆9487億円となった。ただし、有価証券運用では8兆1801億円増加し、残高は45兆6074億円となっている。
 また、リスク管理債権の合計は3000億円を割り込み、約2900億円で前年度より1800億円減少した。貸出金残高に占める比率は2.4%となり、農林中金では不良債権処理はほぼ終了したとしている。
 18年度末の自己資本比率は12.1%。メガバンク並みの水準となっている。

担い手金融に努力

 総代会後の会見で上野理事長(再任)は12年の就任からこれまでを振り返り「JAバンクシステム創設など系統信用事業のレベルアップが図られペイオフ解禁も無事乗り切った」としたが、今後は一層競争が激しくなると指摘、「新BIS規制にも真剣な対応が必要。運用面でもこれからが難所で最善を尽くす手だてを考えなければならない。(全国統一を実現した)JASTEMシステムも、次のシステム検討への取り組みが課題になる」などと述べ、「調達」、「運用」、「システム」の3本柱の重要性を強調した。
 また、貸出金の減少について「担い手金融の強化に努力しなければならない。それが第一の使命」としながらも、農林水産関係以外でも国内の資金需要はさほど大きくないことから、運用面では「幅広くバランスよく投資することがリスクを回避することになる」と述べた。
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(2006.7.3)

 

 

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