JA全農は、原油価格の高騰や輸入原材料などが大幅に値上がりしたため、単肥および複合肥料など全般にわたって18肥料年度の価格を値上げすることを決定した。
原油価格は一昨年から高騰し、ここ2年間で2倍以上の価格と過去最高値を更新する動きとなっている。このため石油を原料とする窒素質肥料やメーカーの重油代・包装資材費など製造諸経費が大幅に上昇した。また、リン鉱石、カリなどの海外原料は、中国・インド・ブラジルをはじめとする世界的な食料増産の影響から需要が旺盛で価格が高騰している。中国の場合には年間の需要の伸びが日本の年間需要を上回っているという。
こうした状況を受けてメーカー各社は、全農に対して大幅な値上げ要求をし、全農と交渉をしてきた。
全農は、厳しい農業環境を背景に、農家にとって生産資材コスト低減は切実な課題になっていることから、値上げ要因についてはメーカー各社の一層の合理化努力で吸収するよう強く求めが、最終的に石油関連要因について圧縮して認めざるを得なかったという。
また、全農が取り扱うリン鉱石、カリについては、最大限為替の円高を見込み、極力値上げ幅を圧縮したものにしたという。
主要品目の18肥料年度の価格変動率は以下の通り(全農の対県渡しベース)。
▽複合肥料
高度化成一般3.73%、同機能3.75%、普通化成2.34%、アラジン3.65%
▽単肥
硫安9.66%、輸入尿素0%、過リン酸石灰1.55%、ヨウリン2.38%、塩化カリ6.7%。
全農では、生産資材コスト低減チャレンジプランで明示したアラジン・BB肥料など低コスト資材の普及・拡大を通じて、実質的に値上がりにならないように努力をしていくという。
|