これまでオーストラリアのタスマニア産りんごの生果実については、ふじ種のみが輸入を認められていたが、農水省は7月5日、同日付けで、今後品種を限定せず、全品種の輸入を認めることにしたと発表した。 オーストラリアではコドリンガが発生しているため、その寄生植物となるりんごの生果実の輸入は、植物防疫法にもとづいて禁止されている。
しかし、タスマニア産ふじ種りんごの生果実については、臭化メチルくん蒸処理等よるコドリンガの侵入を防止する措置が確立されたため、平成10年に条件付きで輸入が認められていた。
その後、オーストラリア側から、ふじ種以外のりんごのうち、ジョナゴールド種について、既に輸入が解禁されているふじ種と同一条件でくん蒸してそのCT値を比較したところ、ジョナゴールド種のCT値は、ふじ種のCT値と同等だったとして、ふじ種に適用している現行のくん蒸処理基準(消毒基準)と同じ基準で、ジョナゴールド種の輸入を認めて欲しいと提案があった。わが国でこの試験内容を検討するとともに、現地確認試験をしたところ、試験が有効と判断されたので、ジョナゴールド種についても、農水省はふじ種と同じ消毒基準を適用することにより、輸入を認めることにした。
さらに、オーストラリア側から、りんごの生果実に関する臭化メチルによる商業くん蒸時に、くん蒸施設内のガス濃度を測定してCT値を算出し、その値があらかじめ設定された、害虫を完全殺虫できるCT値(基準のCT値:76.4g・h/立方メートル)に達したことを確認する方法により、ふじ種以外のりんごの輸入を認めて欲しいと提案があった。
わが国で検討したところ、コドリンガの侵入の防止がはかられると判断されたので、今後、輸入できる品種を限定せずに全品種のりんごの生果実の輸入を認めることにしたという。
現行の臭化メチルの消毒基準は、臭化メチルの薬量がくん蒸施設の内容積1立方メートル当たり48g。くん蒸時間2時間。果実温度17℃以上。
公聴会は平成18年5月16日に開催され、パブリック・コメントは平成18年5月8日〜6月7日に募集された。
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