大豆は栄養価が高く、畑の肉とも言われ、豆腐、みそ、納豆など、日本固有の大豆加工食品が日本人の健康を支えて来た。健康志向の面からも、消費者の関心の高い食品だ。
大豆の供給量の大半は輸入に頼っているが、米の転作品目として生産振興がはかられたことや、食の安全などへの関心の高まりにより、国産大豆を使用した加工品の供給と需要が増えている。
このため、商品への表示が正しくなされているかどうかについての、消費者の関心もきわめて高い。
農水省は、平成17年8月から同18年4月にかけて、大豆加工品の国産大豆使用表示等に関する特別調査を実施、その結果を、このほど発表した。
全国の食品小売店3003店舗で、延べ177409点の大豆加工品(豆腐、油揚げ類、ゆば、納豆、豆乳類、みそ))を対象に、「国産大豆使用」等の強調表示の表示状況および加工食品品質表示基準にもとづく表示事項を調査するとともに、「国産大豆使用」等の強調表示のあった商品について、表示内容の根拠を確認するため、製造業者等の表示責任者303業者に対して遡及調査をおこなったもの(表1,2参照)。
その結果、店舗調査では、「国産大豆使用」は2万6683点(15.0%)、「有機大豆使用」は1万1938点(6.7%)、「遺伝子組み換えでない」は16万2169点(91.4%)の商品に表示されていた(表3参照)。
また、大半の商品が適切な表示方法で表示されていたが、2359点に不適正表示が認められた(表4参照)。
強調表示に関する遡及調査では、303業者、6453点の商品を確認したところ、6359点は適正に表示されていたが、27業者、94点(1.5%)に不適正な表示がなされていた(表5参照)。
表示調査とは別に、遺伝子組み換えに関する表示内容の整合性を確認するため、独立行政法人農林水産消費技術センターが、大豆300点を買い上げて、DNA分析をおこなうとともに、組み換え体DNAの陽性反応を示した商品については、製造業者等に遡って表示根拠の確認調査をおこなった。
その結果、遺伝子組み換えに関する表示については、調査した300点すべてが適正であった。加工食品表示基準にもとづく表示事項についてもあわせて確認したところ、271点については適正であったが、29点に表示欠落などの不適正表示が認められた。
今回の調査で不適正表示が認められた事業者に対しては、不適正表示の発生原因、動機等について事実確認をおこない、国または都道府県からJAS法にもとづく指示等の措置がなされた(表6参照)。
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