JA全中は8月8日の理事会で「経営所得安定対策等大綱実施要綱」をふまえた今後の「JAグループの取り組み方針」を決めた
7月末に決定された大綱の実施要綱について、総財源の確保などの点でJAグループの政策提案を反映したものとなったと評価。そのうえで(1)米の計画生産の実効確保と水田農業の構造改革、(2)施策の対象となる担い手づくりの徹底と支援対策、(3)資源保全・環境保全の取り組みの展開、を柱に全力で取り組むことを確認した。同時に、新しい政策が有効に機能しているかどうかを継続して検証し、必要な措置について提案していく取り組みも行っていく。
最重点課題として、担い手づくりでは▽麦・大豆など品目横断の対象品目の担い手への集積100%、▽秋まき麦について9月から対策への加入が始めることから、担い手の早急な明確化と集落営農組織化を含めた担い手への農地・作業の集積、▽水田農業推進協議会、農地・水・環境保全地域協議会との一体的な推進体制の整備などをあげた。
また、担い手への支援の一環として、品目横断的政策の加入申請や交付金の代理受領など担い手の負担軽減にも取り組む。その際には、米の計画生産が認定基準となっているため、米の計画生産の実効確保の取り組みと一体となって進める。
JAグループの事業としても、▽生産資材・資金供給などの面での担い手支援対策の確立、▽従来のような交付金額を加味した仮渡金に代わる総合的な資金融通の仕組みと、集荷・販売・金融など事業ごとの担い手事業対策の構築、▽集落営農組織の経理一元化支援、担い手の経営・税務・管理などに対する指導・支援体制の構築、を重点事項とした。
米政策改革では、JAグループ自らの計画生産の徹底と、▽集荷円滑化対策への拠出と産地づくり対策とのリンクなど政策のメリット措置活用、▽担い手以外が対象となる計画生産のメリット措置としての稲作構造改革促進交付金の活用、▽古米保管料助成など拡充された過剰米対策を活用した産地での主体的な需給調整の取り組み、などを強化する。
新たに導入される「農地・水・環境保全向上対策」では、▽資源保全対策で認められた地域裁量メニューを活用した対象地域拡大への取り組み、▽環境保全対策では、エコファーマー認定取得を地域単位・部会単位での取り組み拡大などをあげたほか、理事会で資源保全政策については、「農地を管理するJAが中心的な役割を担っていくべきだ」との意見が出され、資源保全活動組織などの立ち上げ支援にJAグループが積極的に関わっていくことが確認された。
これらの重点事項を着実に推進していくため、全国段階では水田農業対策本部委員会が推進本部となって、実行管理、点検・検証を行い、改善が必要な対策の検討を行っていく。また、都道府県・JA段階でも取り組み目標を設定し着実な実行を図っていくことにしている。
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