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バイキングレストランと福祉施設給食が注目市場
外食市場調査、最近の動向 −(株)富士経済


 総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済の外食市場調査(2006年6月〜7月実施)によると、ファミリーレストラン、老人福祉給食施設などで新しい動きが見られる。
 ファミリーレストランでは、イタリア料理、和食など、特定の料理への特化型が躍進してきたが、この成長にもかげりが出始めている。
 市場全体が成熟化しているなかで、バイキングレストランは、値頃感と嗜好の多様性などの消費者ニーズに対応して、市場を拡大している。バイキングレストランの2006年の見込みは785億円で、前年比114%。
 日本料理では、日本人の食の欧米化や、手軽でカジュアルな業態に需要がシフトしたことなどによって、長期的に減少を続けていた。
 しかし、減少傾向も一段落しており、下げ止まり感が出てきている。
 消費者の嗜好も、手軽さや低価格といったニーズだけではなく、本格感を持つ業態にも向き初めており、
今後の市場は明るい兆しも出てきているという。
 西洋料理では、フランス料理、ステーキ・ハンバーグレストランは、長期低迷状態から脱出する兆しがないが、ドイツ料理はワールドカップの影響で、今年に限り下げ止まる見込み。
 イタリア料理は、有名店や人気店などが好調に拡大している。スペイン料理は、料理への認知が徐々に進んできていることから、僅かながらも着実な成長を続けている。

◆焼き肉、回復に注目

 東洋料理は、焼き肉料理はBSE問題がいまだに影を落としており、アメリカ産牛肉の輸入再解禁後、スムーズに需要が回復するかが注目される。
 中華料理は、高級・一般いずれの業態でも停滞感が漂っており、各社で苦戦を強いられている状況。ただし、点心料理については、手軽な中華料理として人気が高く、成長を維持している。
 他に好調な市場として、ジンギスカン料理は、BSEによる牛肉離れの需要シフトをうまく捉えるかたちで成長を遂げた。従来の焼き肉にはないヘルシーなイメージが幸いし、順調な拡大を続けている。

◆給食企業、M&Aで規模拡大も

 給食は、施設数の減少とともに、売上高の減少も続いており、市場全体で厳しい状況。産業給食、学校給食、病院給食は、施設数が減少しているが、福祉施設給食は、高齢化社会に向かうなかで唯一急速に施設数を増加させ、市場も拡大している。各給食施設ともに委託率が年々高まっているために、大手給食企業は委託需要を取り込んで増加を続けている。またM&A(企業の合併・買収)を活発におこなうことで、規模拡大をめざすケースが増えている。老人福祉施設給食の2006年見込みは4191億円で前年比105%。

外食産業のカテゴリー別市場
(2006.8.11)

 

 

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