農林漁業金融公庫が8月18日に公表した「食品産業動向調査結果」によると、18年上半期実績では食品産業の景況は回復傾向にあるが、他産業にくらべて回復は遅れているという。
調査は7月1日時点で実施し、全国の食品製造業、卸売業、小売業、飲食店のうち2700社あまりからの回答を分析した。
18年上半期の食品産業の景況DI(動向指数)は、17年下半期にくらべて6.9ポイント上昇し▲10.2となった。ただ、日銀短観の景況DIは16年上半期からプラス(全産業)に転じているが、食品産業では依然マイナスで、他産業にくらべて大幅には改善しておらず、回復は遅れている。今後の見通しでは、18年下半期に景況DIは8ポイント上昇するとしている。
地域別の景況DIは、北関東、南関東が▲0.6とゼロに近い水準まで上昇しているが、東北(▲16.5)、中国(▲21.4)、四国(▲19.2)とマイナス幅が大きく地域差が鮮明になっている。18年下半期の見通しでは、北関東をのぞくすべての地域で景況DIが上昇し、南関東、近畿、九州ではプラスに転じる、となった。
そのほか、雇用判断DIは4.7と、2期連続でプラスとなり18年下半期にかけて雇用の不足感はさらに強まる見込みとなったほか、設備投資DIは0.3とプラスに転じ、設備投資は昨年にくらべて増加する見通しとなった。
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