農業協同組合新聞 JACOM
   
農政.農協ニュース

県ブランドの梨『彩玉(さいぎょく)』
「大きさ」と「甘さ」に魅力が 《埼玉県》


(左)みずみずしい甘さのジャンボ梨『彩玉』(右)キャンペーンではトップステージに置かれた(9月3日、ジャスコ浦和美園店にて)
(左)みずみずしい甘さのジャンボ梨『彩玉』
(右)キャンペーンではトップステージに置かれた(9月3日、ジャスコ浦和美園店にて)

 埼玉県は9月2日、県産梨の新品種『彩玉(さいぎょく)』の販売促進キャンペーンをジャスコ浦和美園店、丸広百貨店川越店、ロビンソン百貨店春日部店の3カ所で行った(一部店舗は3日まで)。いっそう認知度を向上させ、県ブランド梨として定着させる。
 『彩玉』は、埼玉県農林総合研究センター園芸研究所(久喜市)で育成した同県のオリジナル品種。1984(昭和59)年に、果実が大きい「新高」(注1)とみずみずしく糖度が高い「豊水」(注2)を交配し、選抜を重ねて育成した品種。平成17年2月、農林水産省に品種登録されている。
 県の育成品種であることを活かし、県内の生産者に生産を限定したもので、「埼玉ブランド」の梨の育成を誇りとしている。大玉(約550g)でジューシー、糖度約13〜14度と「幸水」(注3)以上に甘い梨に仕上げている。同品種が終了する8月下旬〜9月上旬の収穫となっている。
 キャンペーンを張った各店からは、「完売しました。もう少し早い時期の収穫・出荷が望まれます(ジャスコ食品統括)、「大玉に魅力があり、(消費者のためにも)作付面積の広がりを期待したい」(丸広百貨店食品課)、「先行品種とかなり差別化できる。評価が高く、贈答用としても一役をかうのではないか」(ロビンソン百貨店青果部)などの声があった。
 こと関東ブロックにおける「梨」で千葉県、茨城県、栃木県に遅れをとっているかに見える埼玉県。『彩玉』で「埼玉ブランド」を構築できるかどうかは、「幸水」・『彩玉』・「豊水」のローテーション収穫・出荷・販売といった差別化にかかっていると思える。

(上)梨の県別結果樹面積ベスト10(下)梨の品種別結果樹面積

 (注1)新高:大正4年に「天の川」と「今村秋」を交配。「長十郎」の次に収穫されている。
 (注2)豊水:(「菊水」と「八雲」)と「八雲」の交配。昭和47年に「豊水」と命名された。
 (注3)幸水:「菊水」と「早生幸蔵」を交配。昭和43年に「幸水」の名が。
     現在、約6000haの結果樹面積があり独走している。

(2006.9.4)



社団法人 農協協会
 
〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町3-1-15 藤野ビル Tel. 03-3639-1121 Fax. 03-3639-1120 info@jacom.or.jp
Copyright ( C ) 2000-2004 Nokyokyokai All Rights Reserved. 当サイト上のすべてのコンテンツの無断転載を禁じます。