JA全農は9月20日、飼料原料・外国為替等の情勢を踏まえ10〜12月期の配合飼料価格を、7〜9月期に比べ全国全畜種総平均トンあたり約1700円値上げすると発表した。
飼料穀物情勢は、米国農務省6月末発表で作付面積が事前予想を下回ったことや、産地の降雨不足による作柄悪化の懸念から価格上昇が見られたが、その後産地の降雨や同農務省の需給見通しで生産量が上方修正されたことから、価格が下がり現在1ブッシュルあたり220セント台で推移している。在庫量が低水準にあること、エタノール用需要が強いことなどから、今後のシカゴ定期は底堅く推移するものと見込まれる。
大豆粕のシカゴ定期は、7月以降米国内の産地が生育に適した天候に恵まれたことから軟調な相場が続き、今後も豊作が予想される。また、魚粉価格は、国内の魚粉生産量が少なく需給が逼迫していること、輸入魚粉も主産地ペルーの漁獲高減少で産地価格が高値で推移しているなどで、大幅な上昇が見込まれている。
海上運賃については、中国の持続的な経済成長による鉄鋼・発電用原料の需要増から船舶需要が継続すること、北米産穀物の収穫期に入り北米・アジア間の船舶需要が増加すること等で、大幅な上昇が見込まれる。
一方外国為替は、6月上旬以降米国の金利引き上げ観測の強まりからドル高円安基調で推移している。今後は、日米の金利差が縮まらないと予想され、円売りと金利の高い米国への資金流出観測から、ドルは強含みで推移すると見込まれる。
とうもろこしと大豆粕のシカゴ定期は値下げになるものの、海上運賃の大幅な値上げと円安のため、10〜12月期の配合飼料価格は前期価格に対して値上げとなる。
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