JA全農は9月26日開催の経営管理委員会に、担い手支援対策の進捗状況、18年度前倒し対策実施具体策、および当面の課題と今後の進め方を報告した。
本年4月に決定した「JA全農新生プラン農業担い手支援基本要領」をもとに、各県域では担い手対応県域マスタープランを策定し、担い手への個別事業対応の強化等をはかっている。マスタープランの策定が済んでいるのは40県域、うち組織決定を終えたのは28県域、JAへ提案済みは26県域となっている。全農の36県本部はすべてマスタープラン策定済み。
対象とする担い手は全国基準に加え、各県域の地域農業実態等を考慮し統一生産基準などをもつ生産部会や共販組織、新規就農者なども担い手に含めている16県域で販売金額、栽培面積の基準を設け担い手として認定している。また、担い手専任対応部署は15県域で設置、担い手対応部署を明確にしたのは13県域で、上記28県域で現在149名の担い手専任担当者(一部兼任を含む)が活動している。
JAにおいては、担い手農家に出向き経済事業対応を行う部署が設置されているか明確になっているのは150JA。
9月から品目横断的経営安定対策による19年秋まき麦の加入申請手続きが開始されたが、担い手の登録準備は麦作を中心に13県本部で実施中。また、12県域では担い手ニーズ調査のために農家を訪問し、農薬大型規格、農機・園芸施設のリース、土壌診断サービス、契約栽培などの事業提案を行っている。
◆経理一元化や法人化等の相談体制整備等が課題
全農では各県本部の提案を基礎に体制づくり、価格対策などについて予算化し実施していくが、アラジン満車直行の実施など、一部は前倒して着手しているものもあるが、今後も検討して必要なものは前倒して今年度実施する。
当面の課題と今後の進め方として、以下の3点を整理した。
(1)集落営農の経理一元化、法人化等に苦慮しているJAが多く現場の支援体制の強化が求められており、現場の支援と同時に、全中、農林中金と連携した相談体制の整備。
(2)集落営農や大規模農家に対し各事業部門が積極的に新たな事業方式の提案を行うことが必要。
(3)対象となる担い手の登録、担い手対応専任者の活動支援などを目的として「担い手支援システム」の開発を進めているが、対象となる担い手の登録、担い手対応専任者の活動支援機能については、10月中の稼働をめざし現在開発を急いでいる。
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