(独)家畜改良センターは、遺伝子分析を活用して牛の食味を推定する方法についての特許を9月7日に申請した。
和牛(黒毛和種)は脂肪等に特有の香りや風味、うま味がある。このうま味は脂肪酸、特にオレイン酸の含有量との関係が強いとされていたが、脂肪酸組成と遺伝子との関係はこれまで未解明だった。
同センターは、黒毛和種とリムジン種の第二代交雑種180頭を使って、平成7年から実験を始め、牛肉の脂肪酸組成に関与する遺伝子を決定し、その遺伝子に基づいて牛肉中のオレイン酸の含有量の多寡を判定することで、生産される牛肉の食味の違いを推定する手法(遺伝子診断法)を確立したもの。
特許の取得には通常1年半〜2年程度かかるが、同センターはこの方法を活用することで、将来的には高品質でより安価な和牛肉の供給、品質向上による国産牛肉の国際競争力の強化に役立てることができるとしている。
この研究成果は、10月2日に全国の家畜改良技術の研究者と家畜改良関係団体などが参加して同センター本所(福井県西白河郡)で開かれた家畜DNAシンポジウムで詳しく紹介された。
免許取得後は、今後各関係機関が開発する技術や取得する免許なども含めてわが国全体で活用するため、協議会を通じて融通仕合って行く。
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