JA全農は10月3日、農水省に業務改善計画の進捗状況報告を提出した。
今回の報告は、改善計画(新生プラン)の主要7項目について現在の到達点とこれからの取組み課題を整理した内容となっている。
主要7項目とその到達点は以下の通り。
1. 「担い手」への対応強化
▽組織のスリム化による合理化効果の「担い手」対策への投入、では、肥料の満車直行割引き、農機・施設のリース助成など、18年度前倒し実施に着手。▽担い手対応専任者の概ね全国150名設置では、全国126名・26県本部で実施。
2. 流通コストの削減
米穀流通コストの削減(従来3000円/60kgを20年産米までに2000円以内に)では、18年産米から販売対策費の廃止、コスト目標ごとの削減目標を生産者に明示(削減目標、16年産米対比10%程度)、運賃の徹底した削減交渉を行い概ね20県本部で合意、競争入札による市場連動型運賃導入の試行実施(秋田県本部)。
3. 生産資材事業の改革
生産資材手数料の引下げでは、肥料・農薬10億円、段ボール・米麦容器など8億円相当分の手数料引下げによる価格引下げを実施。
4. 組織のスリム化
要員削減(22年度末までに全農2500名、子会社2500名を削減)については、全農本体では全本部での新卒採用の抑制、子会社では新規採用抑制と早期退職制度導入を指示。また、常勤役員報酬の一部返上を実施。
5. 子会社再編の実施
▽子会社再編の実施(203社を98〜117社に)については、一部ですでに実施、さらに検討中。▽物流子会社の全国域1社化については、運輸関係子会社の競争力診断を実施。
6. 内部管理態勢の強化
コンプライアンス施策の補強については、外部機関を活用するコンプライアンス相談・通報システム(ヘルプライン)の対象を県本部取引先まで拡大した。
7. 「新たな事業体制・経営管理」の整備確立
地域を重視した事業体制、事業単位・県本部単位を組み合わせた経営管理に19年度から移行することを7月の総代会で決定した。
各項目の今後の取り組みは表の通りとなっている。
◆「改革に着手した」と農水省
農水省は前回(7月)報告までは「目に見える改革になっていない」と厳しい見方を示していたが、今回は「全農改革に着手した」との受け止め方を示したという。また、同省は「(全農改革が)現場から見えないという意見もあり、もっと現場から見える」よう改革の現場段階での実践を求めた。同様の意見が、全農理事会でもあったことから、担い手代表としてJA全青協との意見交換を本所・県本部で行うことにした。
|