農水省は11月1日、平成17年農業産出額(市町村別推計値)を公表した。全国合計額は8兆8058億円で、前年対比98.7%。
都道府県別の農業産出額は、北海道(1兆663億円)が引き続き1位で、鹿児島県(4168億円)が昨年の4位から一躍2位に浮上した。
米国のBSE発生による輸入禁止の影響で、国産牛肉の価格が上昇し、肉用牛の産出額が全国トップの鹿児島県の伸びが目立った。北海道は、この統計が始まった昭和35年以来1位を保っており、同59年から1兆円を超えている。
3位は茨城県(4162億円)、4位は千葉県(4161億円)、5位は愛知県(3275億円)。千葉県は昨年2位だったが、野菜の価格低迷により産出額が減った。茨城県と愛知県は昨年と同順位。上位5道県で、全国の農業産出額の3割を占めている。
市町村別の農業産出額の全国1位は愛知県田原市(779億円=主な品目はキク、キャベツ、豚)),2位は新潟県新潟市(695億円=主な品目は米),3位は茨城県鉾田市(533億円=主な品目は豚、メロン),4位は静岡県浜松市(524億円=主な品目はみかん、米),5位は愛知県豊橋市(495億円=主な品目はキャベツ、しそ)の順。
上位市町村の順位は、合併の影響で前年に比べ大きく変わった。1位の田原市は、昨年3位の渥美町と4位の田原市が合併したもの。新潟市、鉾田市、浜松市も合併の影響による。昭和42年以来昨年まで1位だった豊橋市は、5位となった。
農水省は、来年の統計からは市町村別の時系列の整合性が反映される、としている。
(用語解説)
農業産出額(市町村別推計値)=市町村を推計単位としており、市町村間で取り引きされた種苗、子豚などの中間生産物が重複計上されている。このため、都道府県、全国合計額は、平成18年9月1日に農水省が公表した「農業総産出額(全国推計値)」(9/6付既報)とは一致しない。
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