JAの生産資材店舗「JAグリーン」は、今年度内にJAかほく(石川県)ほか3店舗が開店予定で、年度内に102店舗がオープンすることになる。平成5年12月に「JAグリーン鶴岡(山形県)」がオープンしたのが最初で、現在までに全国で98店舗が展開されている。肥料、農薬など生産資材の予約率が全国的に低下傾向にあるなか、全農営農総合対策部では「JAグリーン」をテコに需要を掘り起こすと同時に、新規顧客の獲得をめざしている。
生産資材を扱う店舗としては、「JAグリーン」の他に、JAの農業倉庫などを利用した小規模な「資材店舗」が全国に多数ある。同部ではこのほど、「JAグリーン」と「資材店舗」をともに『生産資材店舗』と位置づけ、それぞれの果たす役割を明確にして新たな展開をはかっている。
「JAグリーン」は、組合員以外の地域住民でも利用できるような店として地場野菜なども扱い、売場面積200〜300坪、7000〜8000アイテムを揃え、単年度黒字化をめざす。一方、「資材店舗」は、商品の見せ方を工夫するなど売場らしい体裁を整えると同時に、営農情報を発信するなど農家・組合員の営農支援を行い、専門店としての活性化を図る。
人材(店長)の育成や既存店の赤字解消が、今後の店舗運営の課題として上がっている。売場面積が200〜300坪規模の店舗では、商品知識が豊富か、接客に熱心かなど店長の個性によって売上げが大きく左右されると言われており、「JAグリーン」でもその傾向が見られる。同部では店長等を対象に店長養成のためのセミナーも行い、店長の質の向上をめざすしている。
また、既存店60店舗の収支を調査した結果、6割が黒字、4割が赤字という結果であった。赤字解消のためには、商品知識の不足など売る側の問題点が指摘されている。今後も引き続き経営分析を進め、店舗の経営改善に努めるとしている。
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