農水省が11月20日公表した食品製造業のHACCP(ハサップ)手法導入状況の調査(平成18年6月1日現在)で、回答を寄せた企業1682のうち、導入している企業は10.6%と、平成12年の調査に比べると7.3ポイント上昇していることがわかった。特に食品販売金額が10億円以上の、規模の大きい階層での伸びが目立つ。
また、「導入途中」の企業が4.0%、「導入を検討」が27.9%となっており、今後HACCPによる衛生管理が進むことが期待される。
HACCPの効果として導入企業があげているのは、「品質、安全性の向上」が94.0%と最も高く、次いで「従業員の意識の向上」(77.8%)、「企業の信用度やイメージの向上」(73.2%)など(複数回答)。
導入した企業の製造品目グループ別では、畜産食料品関係が23.5%と最も高く、なかでも「牛乳・乳製品」が38.3%で、全品目中で導入が一番進んでいる。
今後導入する予定がある品目は、「精穀・製粉」が54.6%、「くん製品」が50.4%、「野菜・果実缶詰」が49.2%などとなっている。
(用語解説)
HACCP=食品の安全性を高度に保証する衛生管理手法のひとつ。世界各国で導入されているが、日本では、食品衛生法にもとづき厚労大臣が食品の製造または加工施設ごとに承認する認証制度が、平成7年に始まった。
Hazard Analysis and Critical Control Pointのそれぞれの頭文字をとっている。日本語では危害分析・重要管理点と呼ばれる。
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