農林中金総合研究所は「06〜07年度改訂経済見通し」を11月17日に公表した。同見通しでは、7〜9月期に落ち込んだ民間消費は、その反動増と民間設備投資の余熱もあって、年内の国内景気は「底堅く推移」と予測。ただ、米国をはじめ世界経済の成長の鈍化にともなって、この先は輸出の伸びも鈍化する可能性が高く、その影響が民間需要にも浸透し、07年になると景気の「踊り場的様相」が強まると予想している。その後07年の下期からは米国経済の反転に牽引されて成長率を回復するとし、06年度のGDP成長率を2.5%、07年度を1.7%と見込んだ。
金融政策については、堅調な設備投資の上振れリスクに対応し年内の追加利上げを想定しているが、07年以降は成長率の鈍化から「金融政策の正常化」に向けた動きは一時休止し、政策金利は0.50%据え置きと予想している。
そのほか、景気拡大が長期化しているが、民間消費については所得の伸び以上の消費増はそれほど期待できないと指摘。その理由として賃金は、雇用環境の改善を示すデータはあっても、企業は人件費抑制姿勢を継続しており上昇は非常に緩やかになっていることをあげる。05年には前年比プラス2・6%だったのが、06年度は同プラス1%で07年度は同プラス0.9%へと賃金増加率の圧縮も予想した。
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