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読み聞かせをする
高見知佳さん |
JA共済連では社会貢献活動の一環として、かねてから交通事故などで障害を負った人の手足代わりとなって、日常生活や社会復帰の手伝いをするために、特別なトレーニングを積んだ介助犬の育成・普及支援を行ってきた。
現在、介助犬を必要とされる人は、全国で1万5000人と推定されているが、正式に認定された介助犬は33頭(18年7月1日現在)と、必要とする人500人に1頭しかおらず、その育成・普及が強く求められている。
また、02年10月に「身体障害者補助犬法」が施行され、介助犬や聴導犬も盲導犬と同様に「働く犬」として法律で認められ、身体障害者が補助犬(盲導犬・聴導犬・介助犬)を連れて社会参加ができるようになった。しかし、このことを知らない人がまだ多く、補助犬を連れている人は毎回行く先々で説明し交渉しなければならないことが多い。
そうしたことからJA共済連では、より多くの人に介助犬のことを知ってもらい、介助犬の育成・支援の輪を広げるために、今年4月にJA共済オリジナル介助犬絵本「ハッピーとハナちゃん 世界でいちばん幸せな犬」を制作し毎日新聞社から発売した。そして18年度下期からこの絵本の読み聞かせと介助犬デモンストレーションを合わせたイベントを全国で展開することにした。
全国展開の皮切りとして11月24日に沖縄県那覇市の那覇市民会館で、交通チャリティーイベント「介助犬を知ろう! 親と子の読み聞かせの会〜みんなで広げよう交通安全の輪〜」が開催された。
当日は、映画「蒲田行進曲」など多数の映画や舞台に出演し、現在は沖縄県読谷村に在住する元タレントの高見知佳さんが、舞台後方一面に映し出される絵本の絵をバックに、「世界でいちばん幸せな犬」を父兄とともに来場した子どもたちに読み聞かせた。
次いで、広島から初めての飛行機に乗ってやってきた介助犬の「ビート」くん(ラブラドール・レトリバー、オス、4歳)と使用者の藤岡幸子さんが登場。介助犬認定までのトレーニングや介助犬との日常生活などについて、映像や実演で紹介した。
会場には、父母に付き添われた子どもたちなど、約300人が参集。子どもたちは、高見さんの読み聞かせに熱心に聞き入ったり、介助犬ビートくんの活躍に目を輝かせ、大きな拍手をおくっていた。
介助犬については、使用したい人、一人ひとりの状況に合わせたトレーニングが必要なこと。訓練し育成するためには、1頭当たり250〜300万円もの費用がかかることもあって、前述のように認定されている頭数が少なく、社会的な認知度合いがまだ低いといえる。JA共済連では、こうしたイベントを全国で展開することで、介助犬育成・支援の輪を少しでも広げて行きたいと考えている。
「ハッピーとハナちゃん 世界でいちばん幸せな犬」
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作 |
: |
まさごゆき |
絵 |
: |
きよたたかよ |
英訳 |
: |
Charles Worthen |
監修 |
: |
NPO法人日本介助犬アカデミー
社会福祉法人全国介助犬協会 |
発売元 |
: |
毎日新聞 |
仕様 |
: |
A4変形判 32頁 |
販売価格 |
: |
1000円(税込み) |
問い合わせ先 |
: |
毎日新聞社出版営業部 |
電話 |
: |
03−3212−3257 |
★あらすじ
5匹の兄弟で生まれたなかに、ちょっと照れ屋のハッピーがいた。なかなか飼い主が見つからなかったハッピーは、身体に障害のある人がよりよく生活できるようにお手伝いをする「介助犬」になるための学校に入る。
毎日、いろいろな訓練を受け卒業したハッピーのもとに、ハナちゃんという身体に障害のある女の子が迎えに来る。ハナちゃんはハッピーをたくさんほめてくれる。
大好きなハナちゃんといつも一緒にいられることや、ハナちゃんの役に立っていることがハッピーは嬉しくてたまらない。世界でいちばん幸せな犬・ハッピーのお話。 |
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