JA共済連(上原寿宰理事長)は、このほど18年度上半期(18年4月1日〜9月30日)の業績をまとめた。
これによると、事業本体の期間損益をあらわす基礎利益が、前年度同期よりも632億円増加し、2275億円(前年度同期比138.5%)となった。これは、建物更生共済の事故共済金が減少し危険差益が増えたこと、予定利率が高い生命共済の満期到来が高水準で推移し利差損(逆ザヤ)が減少したことによる。
11月27日に発表された主要生保会社の上半期業績をみると、主要9社では三井、朝日以外は運用利回りが向上し基礎利益が増加している。基礎利益1000億円以上では住友生命が前年同期比24.6%増ともっとも増加率が高いが、JA共済連はこれよりかなり高い増加率を示している。
実質純資産額は、異常危険準備金の積み増しなどで、前年度末より1415億円増の7兆1045億円(前年度末比102.0%)。支払余力(ソルベンシー・マージン)比率も、異常危険準備金の積み増しなどによって支払い余力の総額が増えたため、前年度末より5.5ポイント増え、845.6%(前年度同期比34.1ポイント増)となっており、引き続き健全な経営状況を維持し続けている。
◆第3分野など生命共済が健闘
新契約高など主要な業績についてはすでに速報値で紹介(10月18日)したが、一部実績値が修正されているものもあるので、改めてその概略を紹介する。
長期共済の新契約高(保障共済金額ベース)は、前年度同期比88%の17兆1467億円となっている。
そのうち生命共済では、生存保障ニーズに応える「医療共済べすとけあ」が同430.8%、「定期医療共済せるふけあ」が同705.2%と、生保各社のこの分野が停滞するなかで、大きな伸びをみせたこともあって、生命共済全体では同104.8%、5兆6594億円と前年を上回る実績となっている。一方、建物更生共済の実績は、11兆4867億円と前年同期比81.6%と約2割前年より落ち込んでいる。
これは16年度に発生した自然災害によって17年度に喚起された建物更生共済へのニーズが一段落したこと。建更への対応で手が回らなかったLAの目が、生命保障ニーズとりわけ第3分野ニーズに対応したことによると推測される。
また、年金共済は前年同期比109.8%の969億円と好調に推移している。短期共済は共済掛金ベースで1781億円と前年同期を0.9%下回っている。
長期共済の保有契約高は、生命共済の満期到来契約が依然として高い水準で推移していることから、前年度末より4兆5954億円減少し、355兆6890億円となった。年金共済の保有契約高は、485億円増えて1兆8936億円となった。
総資産は、前年度末より4800億円増の44兆433億円(前年度末比101.1%)となっている。
|