農水省統計部はこのほど、平成17 年の個別経営の営農類型別経営収支をまとめ、公表した。
農家1戸当たりの農業経営収支の平均をまとめたもので、営農類型は、米、麦、大豆など水田で作付けされた作物の収入を主とする「水田作経営」、麦、大豆、茶、いも類など畑で作付けされた作物の収入を主とする「畑作経営」、野菜、果樹、花きの収入を主とする「野菜作、果樹作、花き作経営」の3つに分けている。
全国1戸当たりの農業所得は、水田作経営は増加したものの、他の営農類型では減少した。畑作は作付面積が増えたが、北海道でてんさい・麦類・豆類の収量が減ったため、農業粗収益は前年並みだった。しかし、原油価格の高騰で光熱動力費など農業経営費が増え、農業所得は減少した。
野菜作、果樹作、花き作は総じて収量が増えたが、価格が低下したため、いずれも農業粗収益が減った。さらに、光熱動力費などが増えてほとんどの営農類型で農業経営費が増加し、農業所得は減少した。
水田作経営の全国平均の1戸当たり農業粗収益は186万3000円となり、前年に比べ5.2%増えた。このうち農業粗収益の約7割を占める稲作収入は、農家数の減少で作付面積の集約がすすみ、1戸当たりの作付面積が6.1%増えたことにより、米価格が低迷した悪条件ににもかかわらず、前年より5.8%増えて124万4000円だった。
水田作経営の農業経営費は、作付面積の増加により肥料など資材費や光熱動力費が増えて、前年より4.4%増の143万9000円となった。この結果、全国平均の水田作経営の1戸当たりの農業所得は42万4000円となり、前年より8.2%増加した。
農業所得は、総じて大規模経営で増加している。水田作経営では、大型・高性能な農機具を導入し、少人数での効率的な経営をおこなうことで、農業所得の増加にともない、総所得が向上した。
畑作経営では北海道が農業への専従度が高く、広大な経営耕地を活用した規模拡大により、農業所得の増加が総所得の増加につながっている。
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