内閣府はこのほど、「食料の供給に関する特別世論調査」の結果を発表した。この調査は食料の供給に関する国民の意識を調査し今後の施策に生かすため、農水省からの要請を受け、内閣府政府広報室が実施した。全国の20歳以上の人3000人を無作為抽出し、調査員による聞き取り調査を今年11月9日〜19日に行い、1727人(57.6%、男814人、女913人)から回答を得た。調査の概要は以下の通り。
○『食料自給率が40%であることについて』
低い47.0%、どちらかというと低い23.1%、妥当な数字である(11.8%)、どちらかというと高い(3.6%)、高い(2.0%)、わからない(12.6%)。
低い、そちらかというと低い、合わせて70.1%の人が食料自給率が低いと答えている。前回(12年7月)調査では、低い32.9%、どちらかというと低い19.9%で、合わせて52.8%。前回調査に比べ食料自給率を低いと認識している人が約2割増えた。
○『将来の食料供給について』
非常に不安がある28.7%(前回調査26.6%)、ある程度不安がある48.0%(同51.8%)、あまり不安はない16.3%(同16.6%)、まったく不安はない2.1%(1.9%)、わからない4.9%(3.1%)。
非常に不安あるが増え、ある程度不安があるが減っているが、全体的には、各項目とも前回調査とほぼ同じ結果となった。
非常に不安がある、ある程度不安があると答えた人にその理由を聞いた結果は(複数回答)、▽国際情勢の変化により食料や石油などの輸入が減ったり、止まったりする可能性があるため61.6%(前回調査43.7%)、▽環境問題の深刻化や砂漠化の進展で食料増産には限界があるため56.5%(同48.6%)、▽異常気象や災害による不作の可能性56.2%(同46.0%)、▽世界人口の増加等で食料需要の大幅増加29.4%(同31.1%)、などであった。
○『食料生産・供給のあり方』
外国産のほうが安い食料は輸入するほうがよい7.8%(前回調査10.5%)、外国産より高くても米などの主食となる食料はコスト引き下げ国内で作るほうがよい44.5%(同40.6%)、外国産より高くても食料はコスト引き下げできるだけ国内で作るほうがよい42.3%(同43.6%)。
安ければ外国産でもよいと思う人が減ると同時に、米などの主食はコストを下げながら国内で生産するほうがよいとする人が増えた。
○『自給率向上のために必要と思う施策』
消費者ニーズにあわせた国内生産の拡大を図る36.7%、生産面よりは食育推進や国内農産物の消費推進など消費面からの取組みの拡大を図る37.5%、国は財政負担してまでも自給率向上のための対策はせず、生産者等の自主的な取組みにまかせる10.2%、国も生産者等も自給率向上のための取組みを行う必要はない5.0%、分からない、その他10.6%。
国内生産の拡大や、消費面での取組みの拡大を望む人を合わせると74.5%に上り、全体の4分の3の人が自給率向上のためには国産農産物の生産・消費の拡大が必要と考えている。
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