米の農産物検査は全量が民間登録検査機関でおこなわれているが、不適正な検査証明をしたとして平成18年度に農水省が指導した検査機関は6件(合計=検査員数8名、不適正検査証明数量135.2t)あった。
平成12年4月の農産物検査法改正により、米の検査は、13年度〜17年度までの5年間で民間の登録機関に完全に移行された。18年度末の民間登録検査機関は1409で、農産物検査員は1万3512名。
指導の対象となった米は平成17、18年産の国産米で、農水省は証明が不適正とわかると同時に流通をストップし、原因解明調査の結果を踏まえ、検査員への研修の実施など再発防止を求める是正措置を講じた。
愛知県では、検査証明済みの17年産米86tが、検査機関でもある出荷取扱業者によって開封され、着色粒を除去する調製がなされた。これにより、検査証明は失効したが、新袋に詰め替えられ、調製前の検査証明が表示されていた。
秋田県では、異品種が混入した17年産米35tを検査員が「あきたこまち」として銘柄証明した。販売先の米穀販売業者がDNA分析をおこなった結果、異品種混入が判明した。
農水省は、愛知の例は登録検査機関の役職員や検査員の農産物検査制度に対する認識が不十分だとしている。また、秋田の例は、調製施設での担当者の荷受け品種の確認ミスによる異品種混入を、検査員が見落としたとしている。
原因としては他に、生産者が苗の品種を取り違えて作付けしたため異品種が混入した例、生産者が作付けしている品種を誤って収穫作業したため異品種が混入した例、検査員が検査年月日の年号を誤った日付印を押印した例、などがあった。
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