財務省は12月20日、平成20年度予算、19年度補正予算の政府原案を各省に内示した。10月17日以来10回にわたり米政策、品目横断的経営安定対策見直しについて検討した自民党農業基本政策小委員会は、20日午後予算措置が整ったとして報告会を開き、対策の見直し結果を了承した。
新規の対策額の合計は1111億円で、19年度補正予算が799億円、20年度当初予算の追加分が312億円となる。参議院選挙で農村部の支持を得られず大敗したことに、危機感を募らせて取り組んだ結果の措置といえそうだ。
米の生産調整実施者支援対策として727億円が組まれた。来年からの生産調整の確実な実行を図るため、麦、大豆、飼料作物、非食用米等の生産拡大や新規取り組みを図る者に対してメリットを与えるため、緊急的な一時金として500億円、生産条件不利補正交付金の不足をカバーするための175億円などを組んだ。
米価下落緊急対策関連には215億円が組まれた。収入減少影響緩和対策に111億円、全農が実施する10万tの飼料用処理には50億円が充てられる。
先進的小麦生産等緊急支援対策に168億円が組まれた。小麦主産地緊急支援対策に151億円、てん菜主産地に17億円など。
このほかに、米緊急対策にもとづく政府買い入れ(34万t)所要経費の予算不足分の支出が概ね120億円見込まれるという。
小委員会では「来年度も予算が不足した場合は、補正予算を確保する」と申し合わせた。
西川公也小委員長は「生産調整は昭和46年から38年間続けて来たが、それでもうまくいかない状態。今回の措置はこれ以外にないものと確信を持っている」とし、「アグリ・ビー・アンビシャスだ」と締めくくっていた。
|