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松尾一穂氏 |
(社)日本植物防疫協会(岩本毅理事長、本部:東京都豊島区)は1月17日、東京都北区の滝野川会館でシンポジウム『散布技術を考える』を開催した。時宜を得た農薬のドリフト(飛散)への対応をテーマとしたもので、参加者は500名を超えた。
テーマとなった散布技術は、農薬の的確かつ、より効果的な利用において重要であり、さらに作業者の安全、環境負荷の低減、省力化や効率化といった多くの観点において貢献をもたらす可能性を秘めている。
今回のシンポジウムでは、主な散布法と関連技術を総括するとともに、散布技術をめぐる課題を明らかにし、今後の展開方向を探った。
開会にあたり岩本理事長は、「ドリフトは、農薬散布技術の本質であり、永遠の課題でもある。環境保全に配慮した営農の展開にとって、的確な農薬散布技術がよりいっそう重要となっている」と挨拶した。
昨年5月末に施行されたポジティブリスト制度は、いわば慣行防除の弱点をついたものという側面がある。今後は、現場の実情を的確に捉えた、加速をつけた新技術の開発が望まれている。
講演のテーマと講演者は次の通り。
◇「製剤・施用法と開発動向」(JA全農営農・技術センター・松尾一穂)
◇「防除機の現状と課題」(生物系特定産業技術研究支援センター・宮原佳彦)
◇「展着剤の機能と応用」(花王(株)・川島和夫)
◇「水稲・畑作の少量散布技術の展開」(北海道立十勝農業試験場・清水基滋)
◇「水稲用微粒剤Fの特徴と開発動向」(日本植物防疫協会・高木豊)
◇「除草剤の施用技術と飛散・流出の低減」(日本植物調節剤研究協会・横山昌雄)
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(左から)宮原佳彦氏・横山昌雄氏・パネルディスカッションから
(1月17日=東京・北区の滝野川会館にて) |
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