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葉いもちの被害 |
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大麦赤かび病の発病穂 |
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なしの黒星病
(写真提供:宮城県病害虫防除所) |
農水省はこのほど、『平成19年度病害虫発生予報第2号』を発表した。向こう1か月の主要な病害虫の発生動向は、麦類のうどんこ病、かんきつのかいよう病、いちごなど果菜類の灰色かび病の発生が「やや多く」、果樹類および果菜類のハダニ類の発生が「多い」と予想している。
いもち病は、早期水稲の葉いもちが「平年並」、普通期水稲の苗いもちが南関東の一部地域で「やや多い」と予想されている。また、縞葉枯病の発生は東海、中国および北九州の一部地域で「やや多い」と見られている。
麦において、昨年多発した赤かび病の発生は、関東および東海の一部地域で「やや多い」、その他の地域では「平年並以下」と見られている。麦のデオキシニバレノール汚染の原因となる赤かび病は、開花期の穂に感染し、高温、多雨傾向になると発生が助長されるため、あらかじめ出穂・開花期を予測した、適切な薬剤による防除の励行を。
果樹共通では、果樹カメムシ類の発生は北東北および四国の一部地域で「やや多い」と予想され、その他の地域では「平年並以下」と見られているが、今後の気象条件によっては果樹園への飛来が早まる可能性もあり、飛来観測とともに初期からの防除の徹底が重要となる。
かいよう病の発生は近畿、中国、四国および北九州の一部地域で「やや多い〜多い」、そうか病の発生は北九州の一部地域で「やや多い」とそれぞれ見られている。また、ミカンハダニの発生が南関東、近畿、四国および九州の一部地域で「やや多い〜多い」と予想されている。
果樹で特筆しておきたいのが「なし」。黒星病の発生が北九州の一部地域で「やや多い〜多い」とされている。また、ハダニ類において北東北、南関東および中国の一部地域で「やや多い」、アブラムシ類の発生が中国の一部地域で「多い」と見られている。
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チャノコカクモンハマキ
(写真提供:埼玉県病害虫防除所) |
なお、茶でチャノコカクモンハマキおよびチャハマキの発生が南関東の一部地域で「多い」と予想されており、地域の予察灯やフェロモントラップによる誘殺状況に応じた適期な防除が大切と思われる。南九州でのクワシロカイガラムシにも要注意だ。
野菜について、特に施設栽培における今後の発生量が多いと見られる作物・病害・地域を敢えて掲載した(表)。病気の発生しやすい環境を制御することが肝要と思われ、伝染源の早期の除去やウイルス病防除対策がのぞまれる。
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