三井化学はこのほど、自社開発した新規大型殺菌剤「ペンチオピラド」(試験コード:「MTF−753」)において、2008年にも欧米の環境当局に対して登録申請を行う方針を固めた。バイオ燃料需要の高まりもあり、遺伝子組み換え作物に強いデュポンとの供給・販売契約が注目される。
デュポンとの供給・販売契約は、既に2006年12月に結ばれていた。欧米およびオーストラレーシア(オーストラリア・ニュージーランドなど)がその相手。
が、今回の登録申請の方針固めはバイオ燃料需要の高まりから遺伝子組み換え作物の作付面積・収穫量を早急に増やしていきたい欧米、特に米国に対して登録を加速させたい意向が三井化学にあったものとも思われる。
有効成分の「ペンチオピラド」は野菜、果樹の灰色かび病やうどんこ病、麦類のセプトリア病害などに卓越した効果を示し、既に試験機関を中心とした業界関係者から高い評価を受け、成長軌道にのりうる殺菌剤として注目されている。
特に、遺伝子組み換え作物は除草剤や病害虫に対する耐性は高いと見られているが、いっぽうで、かびなどに対する耐性菌が課題視されている。本剤の魅力は、この耐性菌回避と高い安全性にある。2011年からの市場展開へ。
三井化学はこれまで、「食の安全・安心および環境にやさしい」をコンセプトに殺虫剤「トレボン」、「スタークル」などを創出してきた。今後も、農業化学品事業を先端化学品事業の中核的事業として拡充・強化していく。
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