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環境に調和した植物防疫 新たな農業政策への対応 −報農会
(9/28)


植物保護ハイビジョン2007
植物保護ハイビジョン−2007
(9月28日、「北とぴあ」にて)
 (財)報農会(岩本毅理事長)は9月28日、東京都北区の「北とぴあ」つつじホールで『第22回報農会シンポジウム 植物保護ハイビジョン−2007』を開催した。「環境に調和した植物防疫」がテーマで、新たな農業政策下における植物防疫対策を検討した。
 環境保護と農業生産活動の両立は、世界的に見ても永遠の課題とされている。わが国でも今年度から新しい農業政策として、環境保全型農業を強力に支援する「農地・水・環境保全向上対策」が開始され、植物防疫対策にもさまざまな影響が浮上してくるものと思われることから、よりタイムリーで実践的なシンポとなった。
 「総合的病害虫・雑草管理(IPM)の取組みと今後の展望」(農水省植物防疫課・大岡高行氏)では、IPM実践指標モデルとして現在の水稲、カンキツ、キャベツに加え、りんご、なし、施設トマト、施設いちご、だいず、ちゃ、路地きく、さとうきびの8作物での拡大を改めて提示した。
 現場での意見交換を集約した「IPM定着工程表」の作成を急ぐが、IPMの推進・定着に向けては、普及指導センターやJAなど指導機関の協力が不可欠だ、と述べた。
 「ポスト臭化メチル時代の土壌病害虫対策」(野菜茶業研究所・西和文氏)では、病害が発生しにくいほ場作り、土壌病害の被害を受けにくい作物、品種、栽培方法などの選択、土壌中の病原菌密度の抑制、種子や苗を通じた病原菌持ち込み防止など総合的な対策の重要性を明らかにした。
 その中で、主力技術として土壌消毒、抵抗性品種や台木の利用、伝統的な土耕栽培から離脱した新しい栽培方式への転換を挙げたが、西氏の「常に、もてる技術を積極的に活用した総合防除で活路を切り開いていきたい」が印象的だった。

(2007.10.1)

 

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