北海道滝川市は、ナタネ油が原料のバイオディーゼル燃料(BDF)使用の安全性、安定性や課題を確認するため、現在市の公用車を使った実証試験を行っている。
市特産のナタネの種子500Kgを搾油して、粘度を下げるためグリセリンを取り除くなどの工程を経て約100リットルのBDFを製造し、1900リットルの軽油にそれを加え、BDF5%の混合油2000リットルを作る。混合油を公用車7〜8台の燃料として使用し、▽燃料としての性能の確認、▽経済性、などを検証している。試験は昨年12月から始まっており、今年3月までの予定。BDFはナタネなど植物から製造するため、氷点下のような低い温度では凝固する恐れがあるため、特に冬期間を選んで試験を行う必要があった。
「今までのところ、燃料としての性能には特に問題はない。BDF1リットルの単価は軽油の7〜8倍で、普及するには経済性がネックになる」と、市の担当者は語る。
また、「現在ナタネ油は、食用ということでナタネの生産には国からの補助金がでている。BDF生産が本格化すれば、その部分については国からの補助金はどうなるか分からない。もし補助金が出ないことにでもなれば、単価はもっと上がる」と、本格的な生産に向け課題が多いことを指摘する。市では試験終了後に、成果報告書を作成する。
なお、市では以前、ゴミ収集車を使い、BDF20%の混合油で試験を行った実績がある。今回5%の混合油で試験するのは、『揮発油等の品質の確保等に関する法律』により、5%までの混合油は軽油と見なされるため、エンジントラブルが起こった場合でも、メーカーの保証が得られるためだ。 |