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対象者の範囲広げ調査、本や新聞よりもテレビ視聴〜農村読書調査 
−家の光協会


 (社)家の光協会はこのほど、昨年8月に実施した「第61回全国農村読書調査」の結果をまとめ公表した。
 この調査は1946年実施した『農村の読書に関する調査』をスタートに、今回で61回を迎える。今回の調査では、▽調査対象者の年齢上限を69歳から79歳に引き上げ、▽調査地点を35から60に増加(サンプル数は同じ)、▽調査対象を農協正組合員家族から国勢調査区の農林業地区に変更、の3点が前回までと異なっている。今回は全国60か所で1200名を対象に、昨年8月の連続する3日間に『留め置き法』で実施し、870名から回答を得た。回答率は73%。この変更によって、前回に比べ60歳以上の構成比は32%から33%に増え、農家に比べて高齢者比率の低い非農家の増加により、30歳以下の構成比は20%から28%に増えた。調査対象を従来の農協正組合員家族から農林業地区の住民に広げたことで、結果的に回答者の年齢が若くなった。今回の調査では各分野で前回に比べて読書率が上がったが、回答者の年齢が若くなったことを考慮すると、必ずしも農村の読書状況が上向いてきたとは言い難い。

◆総合読書率は67%、女性が男性を上回る

 総合読書率(月刊誌、週刊誌、書籍のいずれかを読んでいる割合)は67%で、女性(69%)が男性(65%)を19年連続で上回った。雑誌読書率(月刊誌か週刊誌を読んでいる割合)は60%で、女性(61%)が男性(60%)を19年連続で上回った。総合読書率と雑誌読書率の推移をみると、いずれも1989年の最高時より前者が20ポイント、後者が24ポイント低下しているが、今回は前回に比べそれぞれ2ポイント上がっている。
 また、書籍読書率は前回よりも5ポイントアップの36%であった。過去最高の書籍読書率は54%で、1993年と1994年に記録した。1998年からは書籍読書率が低下傾向を示していたが、この2年間上向く傾向が見られる。
 読んでいる月刊誌(毎号読む+ときどき読む)を自由回答で聞いたところ、『家の光』『文藝春秋』『オレンジページ』の順であった。上位10誌では『家の光』や『現代農業』、『NHKテキスト』など、農村では予約購読による読書傾向が強い。また、週刊誌(同上)については、『女性自身』『週刊文春』『週刊現代』『週刊少年ジャンプ』『週刊新潮』の順であった。1位の『女性自身』は26年連続。毎号読んでいる週刊誌の1位は、『週刊少年ジャンプ』、以下『週刊少年マガジン』、『ヤングマガジン』と続き、コミック誌が上位を占めた。

◆本を買わない人36%、月の本代500円〜2000円34%

 月刊誌を読んでいる人の入手先・入手方法は、書店63%、スーパー・コンビニ37%、予約購読16%で、前回に比べ書店、スーパー・コンビニは増え、予約購読は減った。一方、週刊誌を読んでいる人の入手先・入手方法は、スーパー・コンビニ49%、書店46%で前回に比べ、それぞれ増加した。本(月刊誌、週刊誌、書籍)を読まない人も含めた本代の支出金額構成をみると、『買わない』がいちばん多く36%、1か月あたりの購入金額では500円以上2000円未満が34%、500円未満が10%、2000円以上3000円未満が8%と続き、本代に3000円以上を使う人は5%であった。また、本を買わない人も含めた全員の平均支出額は878円で、前回に比べ本を買わない人が6ポイント減少したことから、前回よりも54円増加した。本を買わない人を除いた1か月の平均額は、1人1411円で前回より46円減少した。男性は1584円、女性は1254円。新聞は92%の世帯で定期購読しており、この割合は前回と同じであった。
 1日平均の本の読書時間は、読まない人(37%)も含めた平均で21分、前回よりも3分多くなった。女性が22分、男性が20分。新聞の購読時間は、読まない人(10%)も含めた平均で25分。テレビの視聴時間は年々長くなる傾向にあり、テレビを見ない人(1%)を含めた平均で162分となり、前回よりも3分長くなった。本や新聞を読む時間に比べ、テレビを見る時間の長さが目立つ。

(2007.1.24)

 

 

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