農水省は1月23日に、宮崎県日向市東郷にある肉用鶏飼養農場で高病原性鳥インフルエンザが疑われる事例が発生したことを明らかにした。
この農場は約5万羽を飼養している(開放鶏舎・平飼い)が、2万羽を飼養する1棟で1月22日に243羽が死亡し、鳥インフルエンザの疑いがあると農場の管理獣医師から延岡家畜保健衛生所に連絡があり、農場での簡易検査を実施したところ11羽中1羽が陽性、4羽が擬似陽性との反応がでた(農場ではさらに23日326羽、24日750羽が死亡)。
現在、ウイルス分離など病性鑑定が行われており、鳥インフルエンザかどうかが判明するのは25日夕方以降とみられているが、農水省と宮崎県では、緊急の措置として、発生農場から半径10km以内の農場(30戸約100万羽)について「移動自粛の要請」をするなど必要な措置をとった。
宮崎県は日本一のブロイラー産地だが、なかでも日向市周辺は「ブロイラー銀座」といわれる主産地。現在は、農水省などの指導もあって大きな風評被害は起きておらず、価格も「平静に推移」するなど、「過去の学習効果があって冷静にきている」(業界筋)が、ブロイラーの場合、鶏肉販売会社などの経由であっても量販店や食肉スーパーと契約的に取引きしているケースが多いため、主産地からの出荷が止まれば消費地には影響がでる可能性がある。
首都圏の鶏肉販売会社の幹部は、「清武町で迅速で適切な措置がとられていた後すぐの再発で驚いている。産地に衛生管理を徹底するなど防疫体制を強化し再発防止に努めるよう要請している。日向からの荷が止まればそれを埋める対策をどうするか頭が痛い。ともかくこれ以上広がらないことを祈るだけです」という。
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