農業協同組合新聞 JACOM
   
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住宅ローン推進でJAの事業基盤拡充と収益力強化を
初の住宅ローン推進者大会開く
情報・ノウハウの結集と共有化図る


 農林中央金庫は2月7、8日、JAバンク住宅ローン推進担当者大会を東京で開催した。JAバンク全体として住宅ローンの推進力を一層強化するため、情報やノウハウを結集し共有化するために初めて開催。住宅ローン推進の第一線で活躍しているJA担当者などが全国から150名参加した。

住宅ローン推進者大会

◆純増額1兆2000億円超

松本浩志常務
松本浩志常務

 平成16年度から18年度までの「JAバンク中期戦略」では収益力の向上と顧客基盤の拡充に取り組んでいるが、そのなかで住宅ローンなどJAバンクローンの拡大を最優先事項としている。3年間の目標純増額を1兆4200億円としていたが、昨年末時点の速報値で1兆2700億円の実績を達成した。
 目標額まで1500億円となり3月末に向けて、現在全国のJAではラストスパートをかけている。それを19年度当初から次期中期戦略のスタートダッシュにつなげるためにも情報・ノウハウの結集と共有化をめざして推進担当者大会を開いた。
 住宅ローン分野では、企業向け融資の伸び悩み、住宅金融公庫の業務縮小、廃止や、団塊ジュニア世代が住宅の一次取得時期を迎えていることなどを背景に金融機関で激しい獲得競争が続いている。
 一方、JAにとっては組合員の高齢化の進展や農家人口の減少などの環境のなか、30代、40代の次世代層を引き付けることは若い組合員層への対策と事業基盤の強化にもつながる。
 とくに住宅ローンは20年から30年という長期間の関係を利用者との間で築くことが可能な商品であり、JAにとっては住宅ローンをきっかけにしてJAバンクの「家計でのメイン化」や、JA貯金、JA共済契約などさまざまなかたちで若い世代とJAの関係の深化を図ることが可能になる。
 主催者あいさつで農林中央金庫の松本浩志常務は「事業基盤自体が大きく変容しようとしているなか、住宅ローン推進は顧客基盤の拡充と収益力の強化といった2つの課題を同時に解決できる有効な手段。何としてもこの競争に勝ち残っていかなければならない」と参加者に呼びかけた。
 
◆業者営業の拡充

豊本節雄部長
豊本節雄部長

 JAバンク事業商品部の豊本節雄部長は全国情勢報告のなかで、JAバンクの住宅ローン伸長の要因として、JAでの相談会開催による認知度アップと担当者の借り換え推進活動のほか、業者営業の推進を強調した。
 住宅関連業者の営業マンは住宅ローンとセットでのセールスが一般的で、こうした業者ルートを押さえておくことが、良質で大量の住宅ローン利用者を増やすことにつながる。
 このためJAによってはは業者チャネル専門部署と業者営業担当者の設置を進めており、昨年12月時点で141JAと15信連で設置、業者営業担当者は520名になっている。
 豊本部長は「住宅販売会社との連携が他業態にひけをとらない推進につながっている。今後もJA段階での確実な体制整備が大切」と強調した。
 住宅ローンを含むJAバンクローンは、収益向上と顧客基盤にとって引き続き重要な取り組み事項となるとして、今後の課題にJAの経営状況、他行動向をふまえた適切な金利設定住宅完成までのつなぎ保証制度の整備、三大疾病保証特約付団体信用共済の取扱いなど、金利以外の部分での競争力の確保住宅ローン取扱開始に合わせたJA共済(建更)、給振、JAカードなど他の商品の推進などを上げた。
 一方、JAバンク事業商品部としてはJAへの理解促進のサポート業者営業担当者など専門渉外担当者の配置に向けた研修実施など人材育成支援JA内部での「ローン推進体制」整備のサポートなどを行っていくという。
 豊本部長は参加者に「待ちの姿勢ではなく積極的な営業の継続を。非農家の掘り起こしも今後一層重要になる」と期待を寄せた。

(2007.2.9)

 

 

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