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代表要請を行う武田会長 |
JA全中およびJA厚生連主催の「JA厚生連による特別養護老人ホーム開設実現全国要請集会」が2月8日、東京會舘(東京都千代田区)で全国から関係者200名を集めて開催された。
厚生連による特別養護老人ホーム(特養ホーム)開設は、17年10月に開かれた『農山村地域の保健・医療・高齢者福祉を守るJA要請集会』で決議され、昨年12月開催の自民党『農民の健康を創る会』総会でJAグループの要請を受け、老人福祉法の一部改正を議員立法として今国会に上程することが決まった。
JA全中宮田勇会長は、「組合員の高齢化が進みJAや地域との関係が薄れる中、高齢者の健康と福祉を守るのがJAの重要な役割となっている。農村部の医療に取組む厚生連が、医療と介護を同時に行える特養ホームを開設し、運営できるように法律を改正することが喫緊の課題だ」と、JAグループが全力を上げてこの問題に取組む決意を語った。
中川昭一自民党『農民の健康を創る会』会長は、「農村地域で医療の中核的役割を果たしている厚生病院を運営しているJA厚生連が特養ホームの運営も行うことで、農村地域に住む人々の健康と福祉に貢献できる」と、法改正を急ぐべきとの考えを述べた。
武田弘道JA厚生連会長は代表要請で、「農村地域では人材や資金の確保が困難なことなどから、民間事業者の特養ホームへの事業参入が期待できない状況にある。自治体でも厳しい財政事情などから新たな特養ホームの設置・運営が困難で、厚生連に対し特養ホームの設置・運営の要請が高まっている」と訴えた。
最後にJA愛知中央会・厚生連野村宏会長が、「厚生連による特養ホームの設置運営ができるよう、JAグループとして、法整備の早期実現を強く要請する」との決議を読み上げ、全員の拍手で確認した。
国会開会中にも関わらず多くの国会議員が駆けつけ、参加者を励ました。厚生連による特養ホームの設置・運営が可能となる老人福祉法の一部改正は、今国会での可決・成立をめざしている。しかし、7月に参議院選挙が控え会期延長が望めないこと、老人福祉法の一部改正を含め厚生労働省関係で15の法案提出が予定されていることなどから、可決・成立は微妙な情勢だ。
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