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JA全中と全国農政連は、3月1日に東京・虎ノ門パストラルで「19年度畜産・酪農対策・日豪EPA対策全国代表者集会」を開催。7日に政府・与党調整が決着する見通しとなっている19年度畜産・酪農対策に向けた特別運動をスタートさせた。
会場には▽日豪EPA交渉における「重要品目」の除外の確保▽酪農の将来展望ができる生乳需給安定対策の充実強化▽鳥インフルエンザに係る万全な経営支援・防疫対策の措置▽飼料価格高騰に対応した万全な経営安定対策の確立の4本の主張政策提言、北海道の115名をはじめ全国のJA代表ら約700名の参加者はその実現に向けた決意を新たにした。
主催者挨拶で宮田勇JA全中会長は、WTOや日豪EPA、飼料価格の高騰など生産者は大きな不安を抱いていると強調し「安全な国産農畜産物の生産に意欲的に取り組んでいる生産者が報われ、将来展望がもてる万全な対策を強く要望する」と語った。その後、茂木守畜産・酪農対策本部委員会酪農委員長が、要請事項のポイントを説明し、意思結集を訴えた。また、冨士重夫JA全中常務が情勢報告をした。
高橋亘JA大樹(北海道)組合長は、酪農を代表して決意表明をした。生産者は減産計画にがまんを重ねてきたが、追い討ちをかけるように石油価格、飼料価格が高騰し経営を圧迫している。一度にこれほどの経営圧迫をうけたことはいままでになかった。いままでは高齢者が離農することはあったが、最近、40歳代の中堅農家が2戸離農した。担い手や酪農生産者に希望がみえる政策を実施して欲しいなどと語った。
畜産を代表して決意表明した山下孝治全青協理事・島根県農青連委員長は、「飼料価格が高止まりすれば安定基金が枯渇するという不安がある」と訴え、行政や耕種農家など地域が一体なった取り組みや、麦・大豆で採算がとれない地域では牛を取り入れ集落営農を維持していくことも大事と指摘、経営安定対策も麦・大豆だけではなく幅広い品目を対象とすることで、畜産も取り入れた日本型経営対策をとる必要があるのではないかと提案した。
会場には自民党の大島理森農水貿易調査会長、谷津義男総合農政調査会長、近藤基彦農林部会長、葉梨康弘畜酪対策小委委員長、公明党の渡辺孝男農林水産部会長をはじめ約90名の国会議員が駆けつけた。
大島会長は、エネルギーと環境が大きな問題となっているが「エネルギーのなかに食料も入っている」。豪州の旱魃の姿をみれば、「環境という視点から食料をどうみるかが大事」。日本の農畜産物を守るためには「農業者の視点だけからの運動だけではなく、なぜ、日本農業を守らなければならないかという国民的なコンセンサスをつくらなければならない」と語った。谷津会長は「要請をしっかり胸にいれ、将来を見据えた議論をする」。近藤部会長は「畜産物価格・関連対策の決定に全力をあげる」。葉梨委員長は「将来に夢を持てるような施策を打ち出すために責任ある議論をしたい」と決意を表明した。公明党の渡辺部会長も「重要品目の除外や適切な畜酪対策の実施を政府に求めていく」と語った。
6日朝から自民党の小委員会で飼料問題を中心に議論が本格化した。
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(左)「重要品目」の除外などを求め約700人が参集した・
(右)大島農水貿易調査会長ら多数の国会議員が駆けつけた |
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