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優良担い手表彰・発表会を開催
−全国担い手育成総合支援協議会 (2/26)


 全国担い手育成総合支援協議会が主催し、農水省が後援する「平成18年度全国優良担い手表彰・発表会」が2月26日、東京・虎ノ門パストラルで開催された。
 協議会の太田豊秋会長(全国農業会議所会長)は、「受賞者の日頃の研鑽に敬意を表し、今後の努力に期待する」と挨拶した。来賓の山本拓農水副大臣は、「小泉政権の農政大転換で担い手育成が目玉になった。これに国の施策を集中させる」と述べた。
 表彰式では、優良認定農業者(個人、法人の土地利用型、施設等型)、優良集落営農に農水大臣賞(5名)、農水省経営局長賞(22名)、協議会会長賞(25名)が合わせて52名に贈られた。
 発表会では、農水大臣賞受賞者5名が発表。それぞれ体験にもとづく力強い話しぶりで、スライドにまとめたり、夫婦で分担して発表する姿も見られた。
杉村義仁氏(愛知県)=個人・土地利用型部門
 水田(自家、作業受託)33.5ha、大豆作業受託3.7ha。長男と共同での認定農業者。消費者ニーズに答える米の生産に力を入れ、有機栽培米、減化学肥料・農薬米を道の駅や量販店、自然食品店などに販売。籾がらの堆肥化でJAS有機認証を受けた。自分が欠けた時にブランクができないよう、長男と共同し、常時雇用者も確保。将来の法人化をめざす。
武市弘氏(高知県)=個人・施設等型部門
 「やっこねぎ」2万1200m2。法人化し自分は生産、販売に集中し、関係者との折衝は妻が社長として担当。雇用条件を整備して、優秀な人材を確保。農業所得1500万円を目標とし、全量JAに出荷。年間1人2200時間内の労働時間をめざす。
小川和夫氏(広島県)・農事組合法人うづつき代表者=法人・土地利用型部門
 水稲30.4ha、トマト40a、キャベツ100a、作業受託9ha。水稲の一貫作業(栽培から調製まで)で、米のブランド化と直売に取り組む。販売を白米で行うことにより、売り上げを増やしている。若者が帰農し、村に活気が出た。「構成員、従業員の生活が成り立つ」農業の確立をめざす。今後、農業外収入の確保も視野に入れ、株式会社化を検討している。
山下一公氏(山梨県)・(有)ピーチ専科ヤマシタ代表者=法人・施設等型部門
 果樹(桃中心、ブドウ、柿)490a。桃は施設と露地。量が多くなくても安定販売ができ、自ら価格設定もできる消費者への宅配、スーパーとの契約取引が主。個人HPも開設した。ただ、農協では「個選」出荷があり、「色(赤)、大玉、早期出荷」などの条件があるが、価格は通常出荷の倍以上になるので、出荷している。
安田惣左衛門氏(滋賀県)・西老蘇営農組合組合長=集落営農型部門
 構成農家82戸、農地面積39.8ha。環境こだわり米として水稲6品種、麦、黒大豆を栽培。「収穫が10a8俵でも、コストをおさえれば10表とるより手取り額が大きい」との考え方で、徹底したコスト低減をめざす。土づくりに力を入れ、昨年の米の農薬代はゼロだった。今後さらに「攻めの経営、戦略的経営」をめざす。

(2007.3.6)

 

 

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