(社)中央酪農会議はこのほど、19年度の事業計画をまとめた。
19年度事業については、前年度に引き続き減産型の計画生産を実施するとともに、酪農生産基盤の弱体化を招かないような配慮が求められている。
わが国酪農をめぐる国内外の環境変化に的確に対応していくための酪農産業基盤安定強化対策。計画生産・需給調整対策を進める生乳計画・需給調整対策。生乳需要に対応した適切な出荷調整などを行う生乳取引・価格安定対策。飲用牛乳の消費減退が構造的であることを踏まえた国産生乳需要定着化対策などを実施する。主な事業内容は以下の通り。
○酪農産業基盤安定強化対策
WTO等の国際交渉に関する具体的な対応として、適切な情報収集と指定団体等への情報提供などを実施するとともに、政府・国会での各種施策の検討に際し、生産者の意見が反映されるように必要な提言・献策活動を展開する。
○生乳計画・需給調整対策
生乳生産および需給をめぐる情勢を踏まえ、▽牛乳消費量減退の継続、脱脂粉乳・バターの過剰在庫等の厳しい需給状況への考慮などを基本方針として、19年度も減産型の計画生産を継続。日本酪農乳業協会(Jミルク)の生乳需要見通し(脱脂粉乳在庫積み増し回避ベース・5万7500トン)から、脱脂粉乳在庫を5000トン削減させる「販売基準数量」と、「特別対策数量」を併せた供給目標数量による管理を行う。その他、特別対策に係る乳製品製造等の協調的な取り組みの推進、需要期生産の推進および不需要期における需要拡大対策、などを実施する。
また、的確な需給調整を図る観点から、▽指定団体からの用途別販売計画、▽指定団体からの用途別および工場別販売実績報告、指定団体へのヒアリング実施、などきめ細かな需給情報の収集・提供等を行う。
○牛乳取引・価格安定対策
飲用牛乳等向け需要については引き続き減少傾向で推移することが見込まれる、はっ酵乳等向け、生クリーム等向け需要などについては引き続き増加傾向で推移することが見込まれる。また、酪農経営をめぐる環境は、輸入飼料価格の高騰などで、より厳しくなることが想定される。そのような情勢を踏まえ、▽地元乳業者の飲用牛乳の販売強化、▽需要拡大が期待される牛乳用途の取引拡大、▽季節的な生乳需要の変化に対応した取引の推進、▽それらを通じた余乳の抑制、の実施等を通じて生乳取引と乳価の安定を図る。
○国産生乳需要定着化対策
飲用牛乳の消費減退が構造的であることを踏まえ、『牛乳に相談だ。』キャンペーンを継続して実施する。さらなる牛乳への理解と、実際に飲んでもらうため、Jミルクの骨密度測定事業等との連携、酪農教育ファーム活動の強化、モデル的自販機展開などを実施する。また、事業効果を高めるためにテレビCMなどマスメディア展開地域を拡大する。酪農教育ファーム活動については、活動の拠点となる『モデル牧場』の新設に取り組む。
その他、指定団体における生乳販売機能および需給調整機能の一層の強化を図る広域指定団体の機能強化対策、消費者の食の安全・安心に対する期待に応え、生乳の安全・安心を確保するための体制を維持するための生乳の安全安心・乳質確保対策なども進める。
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