JA全農は3月30日、第38回臨時総代会をホテルパシフィック東京(港区高輪)で開催。19年度からの3か年計画と19年度事業計画などを決定した。
裄V武治会長は、「担い手対応の強化、生産者の手取りの最大化、生産資材手数料の引き下げなど、成果が現場で実感できる改革をこの間実施してきた。しかし、まだ十分とはいえない。19年度から始まる3か年計画で一層の改革を進めると同時に、さらなる経営体質の強化を図り、組合員の負託に応えられる全農をめざしたい」と、引き続き改革を進めていくと挨拶した。
3か年計画では、米の販売価格をはじめとする農畜産物価格の低迷、生産・生活資材需要の低下などがあり取扱高は19年度5兆2579億円、20年度5兆2011億円、21年度5兆1591円と計画。肥料・飼料原料の国際的な需給構造の変化による価格高騰などに加え、管理コスト削減による効果発生がずれ込むことなどにより、事業利益段階ではマイナス計画となっている。そのため、当期利益は19年度は0円、20年度は10億円、21年度は30億円の計画となった。当期利益ゼロの計画は初めてのこと。また、当期利益計画を踏まえ、出資配当は、19年度は1%とし、20年度以降は2%に戻す計画だ。
◆シェアアップと事業コスト削減で上方修正めざす
計画は厳しい内容となっているが、裄V会長は「全農グループの総力をあげて上方修正していきたい」と述べ、関水理事長も「19年度についても事業コストの削減とシェアのアップなど経営努力に努め、上方修正をめざしていく」と、JAや組合員の期待に応えられるよう努力をしていく決意を述べた。
また、物流コストの現状について質問があったが、神出元一常務は「JAグループ全体では年間2800億円の規模。物流改革が遅れているのは、JAから農家への個配の部分。多くのJAで物流コストを現在の16〜20%から10%程度に抑えようと取り組んでおり、そうしたJAでは成果が出ている」と回答。遅れている販売物流のコスト低減にも取り組んでいきたいと語った。
臨時総会では、内橋克人氏の後任の経営委員として金子弘道氏(鳥取環境大学環境政策学科教授)の就任が承認された。また、特別決議として『WTO及びEPA交渉に関する特別決議』(既報)を國澤是篤副委員長が朗読し、全回一致で採択した。
|